セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-160 肝細胞癌集学的治療におけるソラフェニブ投与の予後への影響

演者 永井英成(東邦大学医療センター大森病院消化器内科)
共同演者 五十嵐良典(東邦大学医療センター大森病院消化器内科), 住野泰清(東邦大学医療センター大森病院消化器内科)
抄録 【背景】肝細胞がん治療アルゴリズム2010においてChild AまたはBの肝硬変(LC)症例に合併した進行肝細胞癌(aHCC)に対する治療法は明確化されたが集学的治療におけるsorafenib(SF)投与が既存治療に比し予後の改善に寄与しているのかはまだ検討の余地が残されている.【目的】進行肝細胞癌(aHCC)合併LC症例に対する集学的治療におけるSF投与の有用性を既存治療の肝動注化学療法(HAIC)と比較検:徹することで明らかとする.【対象】Child-Pugh class AまたはBでかつStagelVのaHCC合併LC患者でt 2000年3月から2011年8月までにHAICを導入した100症例(H群)と2009年6月から2011年8月目でにSFを投与した44症例(S群)を対象とした.【方法】H群ではHAICはLeucovorin 12mg/hrとCDDP 10mg/hrを投与した後に5-FU 250 mg/22hrを投与し5日間連続投与後2日間劇薬を4週間施行これを可能な限り繰り返した。S群ではSF200~800mg/body/dayを4週目以上服用したのちできる限り服用継続すると共に肝動脈化学塞栓療法やHAICの追加を行った統計学的手法にはK:aplan-Meier法log-rank testを用いた.【成績1Child-Pugh A/B classはH群19/57例S群37/7例.背景肝HBV/且CV/nonBnonCは且群22/00/18例S群7/26/11例.腫瘍進行度はstage lVA/IVBはH群36/51例S群40/4例、 vv3またはvp3以上の脈管浸潤はH群27例S群11例生存期間の中央値はH群の方がS群に比し肝障害度が進んだ症例が多い事もありH群271日S群3(B日であったがChild Aのみの症例ではH群413日S群320日であった.また脈管浸潤を伴った症例ではH群249S群279日でありさらにS群のうちSF投与後にHAICを導入した9例では308日であった.【結語】aHCC合併LC症例に対する集学的治療においてHAICの方がSF投与に比し予後の延長を期待できる可能性が示唆されたが脈管浸潤を伴った症例に対してはSF投与にHAICを用いた集学的治療が予後の延長を期待できる可能性が示唆された.
索引用語