セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-167 肝細胞癌に対するTACEの初期治療効果と予後との関連

演者 鄭浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科)
共同演者 杉之下与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 高島健司(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 小川智(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 増尾謙志(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 松本知訓(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 福島政司(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 和田将弥(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 占野尚人(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 井上聡子(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 藤田幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 岡田明彦(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 猪熊哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科)
抄録 【目的】従来Intemlediate stageの肝細胞癌(HCC)に対してはTACEが繰り返し行われることが多かったが近年Sorafenibが使用可能となり治療の選択肢が増えたことによりその方針が見直されつつある.肝癌診療マニュアル第2版では2回以上にわたり効果不十分であった症例はTACE不応と定義されるに至った.そこで今回我々はTACEの初期治療効果と予後との関連につき検討を行った【方法】2004年9月から2007年12月にかけて当院にて初回TACEを施行した42例を対象とし制御不能進行(vp・遠隔転移出現またはchild-Pugh cへの移行と定義)あるいは死亡に関与する因子を患者背景・腫瘍側因子初回もしくは2回目のTACE施行後の治療効果(肝癌集学的治療効果判定基準による)を用いて多変量解析にて検:討した.【結果】平均年齢70歳t肝予備能Child-Pugh A 33例/B 9例最大腫瘍径は平均3.8cm(1~10cln)で腫瘍数4個以上が24例(57%)であった.TACE施行回数は平均4.5回(1~13回)であり6例においてのみ複数回(3~9回)TACEの後に肝動注te Sorafenibなど他治療への切り替えが行われた.累積35年制御不能進行率は64%79%であり制御不能進行に関与する因子は門充症あり(HR 5.27;p=0.006)AFP>100ng/ml(HR 26.43 ;p<O.OO1)PIVKA-H>100mAU/ml(HR 3.56:p=0.006)治療効果がSDまたはPD(HR 3.86;p=O.02)であった.累積35年生存率は51%32%であり死亡に関与する因子は門充症あり(HR 7.94;p = OD22)AFP>100ng/ml(HR 10.63:p<0.001)最大腫瘍径>3cm(HR 2.42;p=O.048)治療効果がSDまたはPD(HR 351:p=O.02)であった【結論l TACE施行後の初期治療効果は治療前の背景肝や腫瘍因子と同様にHCCの制御不能進展および早期死亡に関連する.非奏功例では早い段階で他治療への切り替えを検討すべきと考えられた.
索引用語