セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-172 肝動注化学療法における消化器症状に対する六君子湯の有用性について

演者 中村憲一(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野)
共同演者 蓮池悟(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 大園芳範(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 楠元寿典(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 岩切久芳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 永田賢治(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山本章二朗(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 三池忠(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 安倍弘生(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山路卓巳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 橋本神奈(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 日高舞(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 平田晶子(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 竹田幸子(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野)
抄録 【目的】切除不能で局所療法肝動脈化学塞栓療法(TACE)の適応もない進行肝細胞癌に対し当科では肝動注化学療法を行っている.今回我々は癌化学療法で発現した消化器症状に対する六君子湯の効果について検討した.’t対象および方法】2006年5月から2010年5月に当科において少量CDDPと5一一FUを用いた持続肝動注化学療法を施行した進行肝細胞癌19症例32件.全例皮下埋め込み型カテーテル・ポートシステムを留置し投与を行った六君子湯の併用の有無で2群に分け嘔気・嘔吐の程度や食事摂取量の低下率について検討した.制吐剤はオンダンセトロンやグラニセトロンなどの5HT3受容体拮抗薬を使用し.症状によってメトクロプラミドを屯田で使用した.治療の初期から四君子湯を併用したものを併用例として検討した.嘔気・嘔吐はJCOGに従いgradi.ngし食事摂取量は治療前と治療最終週の食事摂取量を主食と副食に分け平均値で表し前後50%以上の低下を有意な低下とした.【成績1六君子湯田併用群は16症例(男13女3)23件併用群は5症例(男3女2)9件であった.嘔気に関しては非併用群でGrade 1が5件(21%)Grade 2が3件(13%)であったのに対しt併用群はGrade lが1件(11%)Grade 2が0件であった.嘔吐に関しては非併用群でGrade lが2件(8.6%)Grade 2が1件(43%)であったのに対し併用群では嘔吐がみられなかった.食事摂取量の有意な低下は非併用群で5件(22%)みられたが併用群ではみられなかった.【結論】六君子湯併用群は少ない症例数であったが嘔気・嘔吐がみられた患者が少なく食事量の低下も少ない傾向であった.癌化学療法における六君子湯の作用機序は不明であるがLQw dose FP療法において六君子湯が消化器症状を改善させる可能性が示唆された.
索引用語