セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-174 改良型PIVKA-II測定試薬「NX-PVKA-R」の肝細胞癌診断における有用性

演者
共同演者
抄録 [目的]PIVKA-Hはその疾患特異度の高さから肝細胞癌の腫瘍マーカーとして汎用されている一方でPIVKA-IIはビタミンK:欠乏により生じる蛋白質であるためビタミンK拮抗剤の投与中やアルコール性肝障害患者などにおいて非特異的に血中濃度が上昇する.ビタミンK欠乏により産生されるPIVKA-Hと肝細胞癌から産生されるPIVK:A-Hはプロトロンビンのtカルボキシグルタミン酸(Gla)ドメイン領域のグルタミン酸(Glu)残基の個数と箇所が異なることが知られていたが改良型PIVKA-H測定試薬「NX-PVKA-R」は肝細胞癌から産生されるPIVKA-Hをより特異的に測定できると考えられており倫理委員会での承認および患者の同意のもとに測定を行いNX-PVKA-Rの肝細胞癌診断における有用性を検討した.[方法]2010年8月から2011年3月までに診療を行った際に同意が得られた100例の肝疾患患者(年齢中央値7LO歳男性65例女性35例)の検体を検討対象とした(うち14例はワルファリン服用中).肝細胞癌合併の有無はDynamic CT/MRIAngio-CTのいずれかで判定した.NX-PVKA-R値は従来法で測定したPIVKA-H値をt NX-PVKA実測値で割ったものとした、[成績]ワルファリン服用申の14例を除外した86例(肝細胞癌合併60例非合併26例)の検討では従来法でのPIVKA-H測定(基準値40mAU/mL)では感度85.0%特異度3生6%であったNX-PVKA-RのCut Of〔値を感度+特異度が最高となる点と定めると感度66.7%特異度808%となり特異度が大きく上昇したまたROC解析ではNX-PVKA-RのAUCはAFPPIVKA-HのAUCを上回りまた早期肝細胞癌に限っても同様の結果であった.またワルファリン服用によるPM(A-ll偽陽性例はNX-PVKA-Rでは全例が陰性化した.[結論]改良型PIVKA-1測定試薬「NX-PVKA-R」は肝細胞癌で産生されるPIVKA-llをより特異的に測定することができ従来のPIVK:A-H測定法やAFPAIFP-L3分画測定と組み合わせることでt肝細胞癌の診断や治療において有用と考えられる.
索引用語