セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-184 シクロスポリン持続静注療法にて寛解した重症潰瘍性大腸炎の長期予後予測に関する検討

演者 齊藤景子(千葉大学消化器内科)
共同演者 勝野達郎(千葉大学消化器内科), 佐塚小百合(千葉大学消化器内科), 齊藤昌也(千葉大学消化器内科), 古矢裕歩子(千葉大学消化器内科), 松村倫明(千葉大学消化器内科), 中川倫夫(千葉大学消化器内科), 新井誠人(千葉大学消化器内科), 横須賀收(千葉大学消化器内科)
抄録 【目的1重症潰瘍性大腸炎(UC)のうちシクロスポリン(CsA)持続静注療法を行い寛解導入ができた群において短期間で再燃する症例と長期聞寛解維持が可能な症例を経験する.長期予後の予測因子として寛解後の免疫調整薬(アザチオプリン)の投与が報告されているがその他の因子については一定の見解は得られていない.そこで臨床所見や検査結果などから長期予後を予測できないか後向きに検討した.【方法】2QO4年10月から2011年3月までに当院に入院しCsA持続静注療法を行いt寛解した35例(男性15例女性20例年齢中央値33歳)を対象とした.CsA持続静注療法終了から6か月後までにステロイドの再開タクロリムスやインフリキシマブの開始血液浄化療法の併用などの治療強化をしたものを再燃と定義した.入院申の身体所見血液検査結果内視鏡所見Lichtiger score退院後の治療内容などを対象に解析を行った【結果】35例中26例(74.3%)が寛解維持され9例(25.7%)が再燃した.43項目についてロジスティック回帰分析を行い6カ月以内の再燃を予測する因子としてCsA投与開始後14日目のLichtiger score過去の入院回数の2項目が抽出された.今回我々の検討では過去に長期予後予測因子として報告されている免疫調整薬の投与が抽出されなかった.これは当院では用量が低く6カ月間では効果が十分に発揮されていない可能性などが考えられた.【結論】予後因子2項目よりCsA持続静注療法にて寛解が得られた重症UCのうち再燃が予測される症例については寛解導入後早期の免疫調整薬の開始増量を行いながらより注意深く経過観察をし再燃した場合早期の治療強化を行うことが予後改善につながると考えられる.
索引用語