セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-185 Tacrolimus導入による難治性潰瘍性大腸炎の寛解と再燃率の検討

演者
共同演者
抄録 【目的】2009年7月にtacrolimusが活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)に対して保険適応が追加された.Tacrolimusの寛解導入効果に関しては既に報告があるもののその使用方法や長期成績については依然として課題が存在する.今回我々は難治性潰瘍性大腸炎に対するtacrolimusの寛解導入率と長期予後に関して検討を行ったt【方法】2009年9月から2011年6月にかけて難治性潰蕩性大腸炎に対してtacrolimusの経口投与を起こった12症例(男女比7:5平均年齢41.7歳)を対象とし(1)臨床的背景(2)寛解導入率(3)寛解導入までの期間と有効なトラフ濃度に達するまでの期間(4)最終的な投与量(5)副作用率(6)tacrolimus申止後の再燃率と再燃までの期間について検討した.【結果】(1)ステロイド依存例が6例(50。0%〉ステロイド抵抗例が3例(25.0%).治療前の平均disease activity score(DAI)9.17であった。(2)寛解例が8例(66.7%)有効例が3例(25%)無効例が1例(8.3%)であった、(3)寛解導入できた症例において.は有効なトラフ濃度に達するまでの期間が長ければ寛解に至るまでの期間が長い傾向にあった.(4)最終的な投与量は平均O.129mg/Kgであった.(4)副作用は3例(25%〉に認めたがいずれもtacrolirnusの減量により対応可能であった.(5)寛解導入が得られた8子中、6例(75%〉においてtacrolimus中止後に再燃を認め1例(12.5%)において投与申に再燃を認めた.中止後から再燃までの平均期間は137.7日であった【結論】Tacrolimusは難治性潰瘍性大腸炎に対して高い寛解導入率を示した.しかし有効なトラフ値に達するまで初期投与量:から増量する必要があり副作用率も考慮すると慎重な経過観察が必要である.また投与中止後に高率に再燃することが今後の課題の一つであると考えられた
索引用語