セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-186 難治性潰瘍性大腸炎に対するTacrolimus静注療法の有用性と安全性の検討

演者 藤井俊光(東京医科歯科大学消化器内科)
共同演者 齊藤詠子(東京医科歯科大学消化器内科), 森尾純子(東京医科歯科大学消化器内科), 長堀正和(東京医科歯科大学消化器内科), 長沼誠(東京医科歯科大学消化器内科), 渡辺守(東京医科歯科大学消化器内科)
抄録 【目的】難治性潰瘍性大腸炎に対してこれまで専門施設においてシクロスポリン(CsA)持続静注が施行されてきたが2009年Tacrolimus(Tac)経口投与2010年111f証x㎞ab(]FX)が承認されその有効性が報告されている.しかしTac経口投与は血中トラフ濃度の上昇に時間を要し特に重症例では病勢を抑えきれず効果発現前に手徳に至る症例も経験される.Tacは同じCalcineurin inhibitorであるCsAより強力な免疫抑制作用を持つとされておりその有効性の改善のために高用量導入など様々な工夫がされているが経口投与ではbioavailabMtyの向上に限界があると考えられる我々はより迅速に安定して有効血中濃度へ到達することが期待されるTac持続静注療法の有効性と安全性を検討した.【方法1当院で施行したCsA静注療法43例中2009年4月以降の17例Tac経口高用量導入(初期投与量O.1-O.15mg/kg/日)20例Tacrolimus静注療法17例の背景目標血中濃度到達期間および2週間後有効性をLichtiger i皿dex(L. index)にて評価した(寛解:治療後jndex 4以下有効:治療後index 10以下かつ4点以上の低下).またTac有効例は1年間維持投与を試み寛解維持効果を検討した.【結果1背景:ではCsA群でステロイド抵抗例が多かったがL. indexはCsA群とTac静注群は同等であった血中濃度はCsAで0.5日で到達していた. Tac経ロでは4.3日を要してい.たがTac静注では1日頃到達することが可能となった短期寛解導人率はTac静注にて50%とTac経口群(20%)から明らかな改善がみられCsA群(53%)と同等であった.短期有効率(有効以上)はTac静注(80%)が他の2群(Tac経口65%CsA65%)に比し高かった.3ヶ月時点でのTac有効例は1年間の維持投与により78%で寛解維持が可能だった.【結論】Tac静注療法は迅速に血中濃度が上昇し短期寛解導入率が改善されたまたTac有効例は1年間維持投与により投与中は寛解維持できる可能性が示唆された
索引用語