セッション情報 一般演題(口演)

IBD(クローン病)

タイトル

O-199 インフリキシマブによるクローン病寛解導入後の維持投与離脱例の検討

演者 中島光一(松島病院大腸肛門病センター)
共同演者 福島恒男(松島病院大腸肛門病センター), 辺見英之(松島病院大腸肛門病センター), 岡本菜穂子(松島病院大腸肛門病センター), 西陽子(松島病院大腸肛門病センター), 白倉立也(松島病院大腸肛門病センター), 高橋敬二(松島病院大腸肛門病センター), 野澤博(松島病院大腸肛門病センター), 西野晴夫(松島病院大腸肛門病センター), 松島誠(松島病院大腸肛門病センター)
抄録 【背景1インフリキシマプはクローン病に対し高い寛解導入効果と寛解維持効果を有しているが寛解維持投与の期間については無期限に投与するのか明らかにされていない.症例によっては投与を中断しても寛解を維持できるものがあると思われ投与中止例のその後の経過を知ることは重要な問題である.【目的・方法1クローン病に対しインフリキシマブを投与し臨床的緩解が得られたのちインフリキシマブの維持投与から離脱した症例につ.いて離脱後の経過について検討した.対象例は9例で男女比7:2大腸型6例・小腸大腸型3例で8例に痔痩を合併していた.インフリキシマブ投与開始時の平均年齢は24.1歳(18~31歳)平均投与回数は13.7回(7回~22回)最終投与後の平均観察期間は12.3か月(3か月~25か月)であったなおインフリキシマブ投与から離脱した後も5-ASA製剤の内服は継続して行った【結果】臨床症状として再燃をきたしたのは1例(11.1%)でインフリキシマプ最終投与後1年9か月で腹痛下痢体重減少をきたした.内視鏡検査を行い横行結腸に潰蕩による狭窄所見が認められたがこの症例では離脱前の内視鏡による効果判定は行っていなかった.その他の8例では明らかな臨床症状をきたしているものはなかったが。内視鏡にて離脱前.に粘膜治癒を確認していたものの最終投与後10か月での内視鏡で回腸末端からS状結腸まで散在性のびらんが認められた内視鏡的再発症例が1例あった全体として9例中7例(77.7%)は寛解を維持していた.【結論】観察期間は短かく、症例数も少ないもののインフリキシマブによる緩解導入後維持投与を中止しても寛解が保たれる症例がある可能性が示唆された.今後多数の症例を長期間経過観察することによりインフリキシマブ維持投与中止後の寛解維持症例の条件が次第に明らかになってくるものと思われる
索引用語