セッション情報 一般演題(口演)

IBD(クローン病)

タイトル

O-201 生物製剤の効果減弱例におけるメシル酸ガベキサート併用投与

演者 藤盛健二(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科)
共同演者 岡政志(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 持田智(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 中澤学(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 渡邊一弘(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 近山琢(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 吉野廉子(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 安藤さつき(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 中尾雅美(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 菅原通子(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 稲生実枝(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 今井幸紀(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科)
抄録 【目的】1生物製剤は血中のTNF一αを中和するのみでなく炎症細胞の膜結合型TNF一αに結合しそのapoptosisを誘導して生理活性を発揮すると考えられるしかし同歯は長期の反復投与で治療効果が減弱する事があるメシル酸ガベキサートは合成プロテアーゼ阻害薬で膜結合型TNF一αの血中への遊離を抑制する.そこで.我々は生物製剤の治療効果が減弱した症例で同薬を併用した治療を実施する医師主導型泊療概究を開始した.1方法】対象は抗TNF一α療法を実施後、治療効果が減退し投与間隔が短縮したIBD症例.メシル酸ガベキサート30 mg/K:gを24時間かけて静脈内投与22時聞後から2時間はインフリキシマブ5mg/Kgを投与.治療前後の臨床的活動性(101BDCDAI)血液生化学的所見および治療中の血清サイトカイン濃度を測定し併用療法の効果を評価した本研究は病院IRBの認可の基に実施【成績】現在までに2例が登録併用療法を実施症例はともにクローン病の男性.症例1は26歳で13年の罹病歴.7年前からインフリキシマブを計36回投与.症例2は26歳で6年の罹病歴.4年間で同製剤を計22回投与しその後はアダリムマブに生物製剤を変更2例ともにコントロールは不良であったが併用療法を実施後症例1では10BDCDAIが有意に低下合併症の痔婁が改善した。症例2では臨床的活動性は不変であったが自覚症状は著明に改善副腎皮質ステロイドの減量が可能であった.両症例とも併用療法を8遍間隔で継続し病勢は安定した.【考案と結語】メシル酸ガベキサートを併用した抗TNF一α療法は生物製剤の効果減弱例に有効である.今後症例数を増加させるとともに血中サイトカインの動態を解析しその作用機序を明確にする予定である.
索引用語