抄録 |
【目的】Azathioprine(AZA)は炎症性腸疾患(IBD)のステロイド離脱や寛解維持に汎用されているが縦隊粒球症をはじめ副作用が少なくなくその発現メカニズムは未だ解明されていない。AZAの新規投与を行ったIBD患者を前方視的に観察し同薬剤代謝酵素であるThiopurine S-methyitransferase(TPMT)およびInosine triphosphatepyrophosphohydrolase(ITPA>の遺伝子変異の有無代謝産物濃度の推移を解析し副作用発現との関連につき検討した.【方法12008年3月から2011年6月まで間当院および浜松南病院にてAZAの新規投与を行ったIBD患者50例を対象に開始から012.4週以下4週間隔で52週間にわたり全血を保存’し追跡した.副作用により投与中止後または観察終了後にTPMTおよびITPA遺伝子変異の有無代謝産物である6-Thioguanine nucTeotides(6-TGN)濃度を解析した【結果】脱落2例を除く48例で追跡観察が可能であった副作用は娼必中13例(27.1%白血球減少9例脱毛3例無理粒球症1例肝障害1例.薬疹1例重複込み)にみら江副作用による投与中止は8例(16.7%)であったTPMTは全例wiid typeであった. ITPA変異アレル94C>Aは18例(37.5%)に認め全例ヘテロ接合であった(a11ele frequency:1&8%).白血球減少9例申6例(66.7%)脱毛3例中2例(a6.7%)が94C>A保有者であった.しかし前方視的には94C>A保有者の副作用発現は7例(Z8.9%)であった.無駆除球症例は94C>A保有者であったが発症時の6-TGNは111pmol/8×101RBCと低値であった.【結論】ITPAの遺伝子変異94C>Aは白血球減少例で多く検出されたが94C>Aの保有自体が副作用発現の直接的要因でないことが示唆された.また無穎粒球症の発現に6-TGN増高以外の要因があることが示された |