セッション情報 一般演題(口演)

IBD(その他)

タイトル

O-205 クローン病治療におけるアミノ酸代謝の変化と病勢との関連~生物学的治療におけるED療法の意義~

演者 中野正和(獨協医科大学内科学(消化器))
共同演者 菅家一成(獨協医科大学内科学(消化器)), 星野美奈(獨協医科大学内科学(消化器)), 富永圭一(獨協医科大学内科学(消化器)), 平石秀幸(獨協医科大学内科学(消化器))
抄録 【目的1クローン病は免疫統御療法による寛解導入および維持療法としての効果が多数報告されているしかしこれら免疫統御療法には悪性新生物発生や重度の日和見感染骨髄抑制や肝毒性の危険性を増加させる可能性もありさらにこれらの薬剤に不耐性あるいは抵抗性の患者は少なくないことも報告されている.一方成分栄養療法の安全性は確立されておりさらにその治療効果においては腸管安静と栄養素の安定した吸収・補給以外にも慢性炎症と深く関わるアミノ酸の存在も知られるようになってきた.特にヒスチジンの低下が報告されているがアミノ酸代謝の変化と病勢との関連に関しては不明である.1成績】2010年10月より2011年5月までの活動期クローン病患者のうち成分栄養剤を主な寛解導入治療(ベーースラインから600kca1/day以上の増量もしくは1200kcal/day以上の摂取)として実施した19例において治療前後でのCDAIと栄養状態血漿中ヒスチジン濃度(以下His)との関連を検討した.対象患者のうち寛解導入例は12例(平均CDAI:2623→89.3)であり残り7例においてはCDAIの低下は認められたものの寛解導人には至らなかった(平均CDAI:260.6→197.4).一方血漿申且is値は寛解導入群において62.6→78.7umol/L.と有意に上昇したのに対し(p=0.0031)非導入群では69.6→7LOumol/しと有意な変化は認められなかった(p=O.73).以上の結果からCD患者においては血漿中Ms濃度は栄養状態よりも病勢との相関が強いことが明らかになりCD患者での治療効果を判断する非侵襲的なマーカーとして有用である可能性が示唆された.またED服薬アドビアランスにおいて検討した結果19血中服薬アドヒアランスが高い14例ではCDAIはED投与前日213→82.5(P=0001)アドピアランスが低い症例では352→152(P;O.080)との結果となりEDとバイオ製剤との併用は有効な治療法と考えられた.
索引用語