抄録 |
大腸ESDは早期大腸癌の大きさ.にかかわらず完全一括切除が可能な低侵襲治療である.完全一括摘除された標本は脈管侵襲や輩出浸潤先進部の組織学的評価を行う事が可能でありSM浸潤癌内視鏡摘除後の治療方針を選択する.にあたり重要な情報源となる.今回当科における大腸SM癌に対する完全摘除生検としてのESDの実態について検討した.【対象と方法112003年6月掛ら2011年10月までに当院で施行した大SW ESD 395例のうちSM浸潤癌と診断された74例を検討対象とした.垂直断端陽性の予測危険因子に関して術前因子(ESD経験例数腫瘍の局在腫瘍径腫瘍発育形式術前深達度診断)術申因子(術中出血粘膜下層線維化の程度スネアリングの有無一括切除の可否)病理学的因子(主組織型t先進部組織型SM浸潤距離浸潤様式粘膜下層の線維化)について検討した.【結果】平均腫瘍径は31.3±163mm一括切除率は95.9%穿孔率は1.2%であった.垂直:断端陽性は7例(9、5%)でSM浸潤eees 2000ym以上で有意に高率であった.この7例のうち6例が粘膜下層に線維化を認めた.また先進部組織型は6例で低分化度でありSM浸潤度2000μm未満で断端陽性となった2例も癌先進部組織型は低分化度であった.術前EUSを施行した症例のうち4例をSM深部浸潤と診断したがうち1例が垂直断端陽性であった.【まとめ】SM深部浸潤例で粘膜下層に線維化があるもの癌先進部組織型が低分化度のもので垂直断端が陽性となるリスクが高かった. |