セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-212 自然発症高血圧ラット(SHR)はコリン欠乏食(CD食)の負荷により著明な肝臓脂肪化及び肝臓線維化を生じる

演者 児玉尚伸(広島大学病院総合内科・総合診療科)
共同演者 生田卓也(広島大学病院総合内科・総合診療科), 山本理哉(広島大学病院総合内科・総合診療科), 菅野啓司(広島大学病院総合内科・総合診療科), 田妻進(広島大学病院総合内科・総合診療科)
抄録 【目的】非アルコール性肝疾患(NAFLD)はメタボリック症候群の肝臓での表現型と考えられ近年その樒患は増加している.高血圧症とNAFLDの罹患は関連しているが直願的なメカニズムは明らかでない.今回我々は自然発症高血圧ラット(SHR)を使用し高血圧症がNAFLDの発症や進農に及ぼす影響について調べた.【方法】6w~8w齢のSHRと正常血圧コントロールのWK:Yラットに対しコリン欠乏(CD)rt 5wの短期20wの長期投与をし肝臓の病理組織をスコアリングシステムで評価した.肝臓のトリグリセリド(TG)成分、血漿 TG血va ALTを測定し比較した.肝臓からRNAを抽出しリアルタイムPCR法を施行した.肝臓の酸化スFレスを肝TBARS値肝SOD活性で評価し比較した.【成績1 CD食短期投与にてSHRは著明な肝脂肪化を呈し肝臓のTG成分は約8倍と増加を認めたがWKYは軽度の脂肪化にとどまったSHRの肝臓ではPPARαACOXMCAPが有意な発現抑制またMTPAPO-Bも有意な発現抑制を認め脂肪酸酸化の低下と例外へのVLDL分泌低下が示唆された.肝TBARS値はCD食負荷後SHRにおいて約6倍と有意な増加を認めた肝SOD活性の有意な低下及びMn-SODcatalaseGPxGSTの有意な発現低下を認めCD食負荷後SHRの肝臓における酸化ストレス充進が示唆された.CD食長期投与では肝脂肪化については両系統間に差が無くなったがSHRの肝臓は肝硬変様の著明な肝臓線維化を示しWKYと比較し差を認めた.SHRではTGF一βCTGFV㎞entinの発現がWKYに比較し有意に上昇を認めた.肝TBARS値はこの時点で山群に差を認めなかったSHRの血漿TGはWKYに比較して著明な高値を認めた【結論】SHRはCD食5wの短期投与ではWK:Yに比較して著明な肝臓脂肪化20wの長期投与では著明な肝臓線維化を認めた高血圧症は肝臓の脂肪化を誘導し肝臓内の酸化ストレスの充進による肝障害さらには肝臓線維化を誘導する増悪因子である可能性を示唆している.
索引用語