抄録 |
【背景・目的】食生活習慣の欧米化過食と運動不足に伴い肥満者は増加している.肥満者の約3割は非アルコール.性脂肪性肝疾患(NAFLD)に罹患している.NAFLDの治療にはその有用性が期待される運動療法があるがその有効性に関するエ.ビデンスは十分ではない.今回は減量教室参加者の集積データおよび保存血清のretrospectiveな解析を行い運動療法が肥満者の肝病態に及ぼす影響を検討した.【方法1本学主催の減量教室(2006-2010)に参加した男性肥満者210名のうちNAFLD fibrosis score(〉一1.455)の肝線維化が疑われた67名1年齢55士9. BMI 30S±4」7)を解析対象とした3ヶ月間の運動療法(有酸素運動週3回t1回90分)における参加者38名の前後の検査成績保存血清:におけるNAFLDの肝病態因子について比較検討した.さらに食事療法(1H1680kcaI週1回1回90分の講義)の参加者29名の効果と比較検討した.【成績1運動療法(E)と食事療法①)における各検査項目の前後差(零有意差あり)はエネルギー摂取量(E+08 vs. D-646’;E<D)消費量(+190’vs. 一17:E>D)体重(一2.4.vs.一8.2’;E〈D)内臓脂肪面積(一25.1*vs. 一519*;E〈D)除脂肪体重(一〇.0章vs.一Z5’ ;E>D)VO2mm (+4.9’ vs. +Z6’ : NS)HOMA-lk (一〇82’ vs.一〇.62;NS)AST値(一2.5・vs.一6.9’INS)ALT値←7、8’vs. 一122’ i NS)y-GT値(一19.3’vs.一20.1*;NS)フェリチンtS(一62.9’vs.一7.1:E>D)高感度CRP(一〇2ぴ vs.一〇.s6*:NS)ビアルロン即値(一4.5 vs.一21.5*:E<D)NAFLD fibro-sis score(一〇.19’vs.一〇.S5宰;NS)であった.運動療法は食事療法と比較してエネルギー消費量を増加させる除脂肪体重を維持するまたフェリチン値を減少させる点で優れていた.【結論】肥満考における運動療法はエネルギー消費量の増加除脂肪体重に維持t血清フェリチン値と酸化ストレス.の減少.により肝機能障害を改善し肝線維化の抑止に有用であると考えられた. |