抄録 |
【目的】内臓動脈瘤に対するデタッチャブルコイルを中心とした経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)の有用性を明らかにする.【対象と方法】対象は、腹部領域にデタッチャブルコイルが普及し始めた2009年1月以降に内臓動脈瘤でTAEを施行した145例(男性9:女性6.平均年齢64歳).内訳は肝動脈瘤5例(うち仮性動脈瘤3例)脾動脈瘤5例腎動脈瘤3例下町十二指腸動脈瘤1例右胃大網動脈仮性瘤1例瘤径は5-28(平均17)mmであった. TAEにはマイクロコイル(デタッチャブル:機械式または電気離脱式プッシャブル)Cy狐oacrylateを用いて施行した.末梢血流を温存する必要がある場合は可能な限り行った.またAdjunctive techniqueとしてフローコントロールやバルーンアシストダブルマイクロカテーテルなどを併用した.【結果】全例で手技的に成功LIsolation+Packingを施行したのは9例Isolationのみ施行4例Packingのみ施行1例であった.またマイクロコイルのみ使用した症例は11例でマイクロコイルとCyanoacrylateを併用したのは3例であった.全例で出血や破裂再開通例は認めていない.(観察期間中央値152日差2例で部分的脾梗塞を認めたが重篤な合併症は認めなかった.【結語1内臓動脈瘤に対するデタッチャブルコイルを中心としたTAEは安全かつ有用であることが示唆された. |