セッション情報 一般演題(口演)

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O-222 大動脈十二指腸瘻の5例―確定診断までの臨床経過の検討

演者 加藤貴司(北海道消化器科病院内科)
共同演者 藤澤良樹(北海道消化器科病院内科), 町田卓郎(北海道消化器科病院内科), 碇修二(北海道消化器科病院内科), 佐々木清貴(北海道消化器科病院内科), 山田裕人(北海道消化器科病院内科), 中村英明(北海道消化器科病院内科), 加賀谷英俊(北海道消化器科病院内科), 目黒高志(北海道消化器科病院内科), 堀田彰一(北海道消化器科病院内科)
抄録 y目的および方法】大動脈十二指腸痩はまれではあるが重篤な疾患であり大量の出血を起こした場合の救命率は極めて低い.そのため早期診断が重要であるが十二指腸水平脚からの出血のため内視鏡では診断に難渋することも多い.当院で経験した5例の大動脈十二指腸痩を対象に症状発現から確定診断までの臨床経過について検討した.【結果】症例は男性4例女性1例であり平均年齢は70歳(56=82歳)であった5例中4例に腹部大動脈瘤(AAA).の手術歴を認めた.5例中4例は下血や黒色便の精査のため当科を紹介受診していた.残りの1例も下血を主訴に当科を受診していた.紹介症例4例のうち2例は前医で上部消化管内視鏡検査(EGD)が施行され3例で大腸内視鏡検査(CS)が施行されていた.また1例では腹部CTも施行されていた.当科受診後に全例EGDを施行したが十二指腸病変を指摘できたのは1例のみであり他の4例では診断に至らず後日EGDを再検していた.うち1例はEGDを再検する間に大腸内視鏡検査(CS)を2回さらに経肛門小腸内視鏡検査(DBE)を1回施行していた再E:GDにて十二指腸病変を指摘できた症例は2例のみであり診断に至らなかった2例のうち1例は造影CTにて診断し残りの1例は確定診断に至らず出血性ショックにて死亡され剖検にて診断された診断確定後4例は速やかに専門病院に転院していた.前医からの経過を含め診断までに要した平均期間は16日間(2-36日間)EGDは4例で2回1例で3回施行されていた.CSやDBEについても5例中4例で施行され1例は複数回施行されていた.【結語】大動脈十二指降旗の特徴的な症状としてherald bleeding(前兆出血)が知られているが当科で経験した5例はherald bleedingの期聞にEGD等の内視鏡検査が繰り返されている傾向であった.AAAの既往や手術歴のある症例の消化管出血に際しては本症を念頭におき早期に造影CTを施行する必要があると思われた.
索引用語