セッション情報 一般演題(口演)

疫学・ネットワーク

タイトル

O-227 上部消化管出血の罹患率と気候との関連

演者
共同演者
抄録 【目的】疾患の罹患率と気候との関連については喘息などのアレルギー疾患脳出血くも膜下出血などの頭蓋内疾患心筋梗塞などの心疾患等において多くの報告がある.上部消化管出血の程患率と気候との関連に閲しては気温と負の相関大気圧と正の相関があるとの報告があるしかしながらこれらの関連に関して時系列解析により検討された報告は少ない.今回我々はヒ部消化管出血の罹患率と気候との関連を時系列解析にて検討した【方法】2009年9月から2010年8月までの一年間に三次救急病院の救急外来を受診し緊急内視鏡により上部消化管出血と診断された患者78名を対象とし一日当たりに救急外来を受診した上部消化管出血患者の数と同時期の一日の平均気圧平均気温湿度との関連を検討した、二変量の関連についてはスペアマンの相関係数を用い時系列データ.の解析にはAutoregressive integrated moving-average(ARIMA)モデルを用いた.ARIMAモデルのAutoregressiveIntegrationMovingaverageの次元は赤池のスコアにより(101)と決定した.【結果】対象患者の平均年齢(標準偏差)64(16)歳男性は53名(68%)であった.出血源の種類別の患者数(%)は胃潰瘍54(69)十二指腸潰瘍14(18)その他10(13)であった.観察期私田の平均気圧の平均(SD)平均気温(SD)平均湿度:(SD)はそれぞれ1010.1(6.6)t16.7(7.9>60.7(13。1)であった.上部消化管出血の患者数と平均気圧湿度平均気温とのスペアマンの相関係数(有意水準)はそれぞれtO.10(P=0.048)0.02(P=0.67)一〇.052(P=0.323)であった.多変量A:RIMA回帰モデルによる平均気圧湿度平均気温の回帰係数(有意水準)はそれぞれ0.0075(P-O.043)tO.002(P=OVe)一〇.0026(P=O.SS)であった【結論】平均気圧が高い天気の良い気候と上部消化管出血の罹患率との間には関連があり救急医療の体勢の構築の参考になりうると考えられた.
索引用語