抄録 |
【目的1 Helicobacter pyloti(H. pylori)感染は小児期に成立持続感染する.感染者は未感染者に比して胃癌のリスクが高く除薗による胃癌予防の可能性も報告されている.しかし胃炎が進行した状態では除菌後も胃癌が発生すること感染既往がないと.胃癌発生は極めて稀であることから最大の胃癌予防策は若年期の除菌と感染阻止である我々は小児・若年者の感染率と感染経路を検討し胃癌予防としての若年者除菌の可能性と感染予防策を検討した.t対象と方法】(1)小児の感染率;兵庫県篠山市の保育園幼稚園小学校(1~3年生)16施設1299名に研究への参加を依頼し689名から便検体を収集した.対象外施設では希望者51名から検体を回収した便中抗原測定はテストメイトピロリ抗原EIA(わかもと製薬)を用いた.(2)家族の感染率;抗原結果が出た後に陽性児13名と陰性児24名の家族にも参加を依頼しそれぞれ11家族(35名)と12家族(36名)から検体を収集一部門家族で便からDNAを抽出し複数早戸子配列ダイビング(MLST法)を行なった.(3)若年者の感染率:2009年から2011年にポリクリ実習を行なった医大生238名で尿素呼気試験(UBT)を行なった.【結果】年齢別(学年別)陽性率は0~1歳0/502~3歳1/106(0.9%)4歳1/124(0.8%)5歳5/143(3.5%)小学校1年生2/98(2%)2年生2/118(1.7%)3年生3/98(3.1%)全体では15/740(2.0%)であった.陽性児の家族は40%陽性陰性児の家族は83%が陽性であった(p=O.02).MLST法でも母と一致両親と一致:など家族内感染が示唆された.医大生のUBT陽性率は2009年lL6%(11/95)2010 eP 6.3%(5/80).2011年1U%(7/63)で全体では9.7%であった.【結語】小児の感染率は296と低く医大生でも10%以下であった.家族内感染が主であり若年者の除菌により胃癌の予防と次世代への感染阻止を同時に行なうことが可能であると考えられた |