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疫学・ネットワーク

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O-229 東日本大震災被災地域における消化性潰瘍症例の検討

演者
共同演者
抄録 【背景・目的】ストレスは旺pylori感染やNSAIDなど薬剤のほかに消化性潰瘍の成因の一つとして重要である.大規模災害はストレスと消化性潰蕩の関係を検証する貴重な機会であり今回東日本大震災被災地域における消化性潰瘍について多施設で調査を行った.【方法】対象は宮城県内基幹7病院(東北大学病院石巻赤十字病院気仙沼市立病院塩釜市立病院大崎市民病院栗原市立栗原中央病院みやぎ県南中核病院)において震災発生直後(2011年3月11B)から3か月間に新たに診断された胃十二指腸潰瘍症例について年齢性別潰瘍の数(単発/多発)H.pylori感染の有無NSAID(アスピリン含む)内服の有無について調査した.且pylori感染は主に血清抗体を用いて判定した.【結果1調査期間内に計384例の胃十二指腸潰瘍(男性259例平均675歳)が新たに診断された.胃潰瘍287例(胃十二指腸潰蕩共存潰瘍11例含む男性200例平均68.6歳)十二指腸潰瘍97例(男性59例平均64.1歳)で胃潰瘍は十二指腸潰瘍の約3倍の頻度であり有意に高齢であった.全体の258例(67.2%)が出血性潰瘍155例(40.4%)が多発性潰瘍であったH.pylori感染は240例中165例(68.8%)NSAID内服は329例中67例(20。1%)に確認された.H.pylori感染およびNSAID内服確認が可能であった200例で検討した結果Hpylori陰性かつNSAID内服者は16例(80%)H.pylori陰性かつNSAID内服非内服者は42例(2LO%)であった.1【結藷】東日本大震災後の消化性潰瘍は胃潰瘍とくに出血例が多い傾向を示した.非Hpyrori非NSAID潰瘍を21%に認め大規模災害時にはストレス単独でも潰瘍の成因となり得る可能性が示唆された.
索引用語