セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

胃・十二指腸

タイトル

P-005 ビスホスホネート製剤服用患者における上部消化管内視鏡所見の検討

演者 小西洋之(東京女子医科大学消化器病センター)
共同演者 山本果奈(東京女子医科大学消化器病センター), 岸野真衣子(東京女子医科大学消化器病センター), 石川一郎(東京女子医科大学消化器病センター), 中村真一(東京女子医科大学消化器病センター), 白鳥敬子(東京女子医科大学消化器病センター)
抄録 【目的】近年骨組霧症の治療薬として骨折予防のエビデンスが示されているビスボスホネート(BP)製剤の使用頻度が増加しているが.一方で副作用としての消化器症状や消化管傷害をきたす可能性についても危惧されている今回tBP製剤内服患者のうち内視鏡を施行した患者の臨床所見と内視鏡所見について検討を行った.【方法】対象は2010年4月から10月に当院にて上部消化管内視鏡を施行したBP製剤(アレンドロネート22例.リセドロネート38例)内服中の患者60例である平均年齢は73.1歳男性11例女性49例.臨床的背景と内視鏡所見について同時期に内視鏡を施行した対照群100例と比較検討を行った.【成績】背景疾患は骨粗霧症49例(81.6%)関節リウマチなどの膠原病21例(35.0%)が有意に多くHpylori感染率は522%(24/47)であった.併用薬剤はステロイド製剤26例(43.3%)で有意に多くNSAID24例低用量アスピリン10例であった.胸やけ心窩部痛胃もたれなどの上腹部症状を有していたのは20例(33.3%)であった.内視鏡所見としてはしA分類gradeA以上の逆流性食道炎6例(10%)びらん性胃炎24例(40%)胃潰瘍を4例(6.7%)びらん性十二指腸炎7例(1L7%)十二指腸潰瘍2例(33%)に認めたが対照群と有意差はなかった.自覚症状は逆流性食道炎4/6例(667%)びらん性胃炎5/24例(20.8%)宵潰瘍2/4例(50%)びらん性十二指腸炎1/7例(14.3%)十二指腸潰瘍1/2例(50%)に認めたが有意義はなかった.逆流性食道炎を認めた6例は全例食道裂孔ヘルニアを有し2例でNSAII)1例で低用量アスピリンを併用していた.胃潰蕩十二指腸潰瘍を認めた症例は全例NSAIDを併用していた.うち2例においてはBP製剤中止のみで癩痕化を確認した.【結語】BP製剤服用患者の多くは各種薬剤を併用しておりBP製剤単独での臨床的に問題となる消化管傷害の頻度は高くなかった.BP製剤とNSAID併用患者は消化管傷害のリスクが高まる可能性が示唆された.
索引用語