抄録 |
【目的】香川県は旛尿病関連死が多い県である.当院は香川県の農村部に位置し積極的に糖尿病教育入院による患者指導を行っている.糖尿病(DM)患者は合併症のためQOLが低下し消化管の異常も伴なう.今回我々はDM患者の腹部症状とQOLおよび胃機能との関連について検討した.【方法1対象はDM教育入院患者51例.GSRSとSF-8を用いて腹部症状とQOLを定量的に評価した.ニプロ社製EGを用いて日電図を記録し空腹期と食後期のnormogastria(N)(2.4-3.6cp皿)の発生頻度パワーが最も大きい周波数(DF)食事前後の電位の変化率(PR)について解析した.【結果】i)GSRSのスコアは腹痛1.6±02酸逆流1.3±O.1消化不良1.7±0.1便秘2.0±02下痢1.6±O.1で便秘スコアが最も高値であった.SF-8のスコアは身体機能(PF)44.47±1.60日常役割機能(身体)(RP)42.81±L94体の痛み(BP)48.87±IM全体的健康感(GH)45.83±1.40活力(vrr)47.90士1.40社会生活機能(SF)e4.44±164日常役割機能(精神)(RE)43.77±1.93心の健康(MH)47.06±L17身体的サマリースコア(PCS)4421±1.62精神的サマリースコア(MCS)45.65±1.33で全項目において国民標準値より低値であった便秘スコアが2以上の例ではQOLが低くPFRPGHVTSFREMHPCSMCSと有意な関連性を認めたBPとの間には関連性を認めなかった. PF(r=一〇.5026)RP(rニーO.4767)VT(r=一〇.4898)PCS(r=一α5026)と便秘スコアとの間には有意な相関も認めた酸逆流スコアとSF-8との問SF-8のBPとGSRSとの間には関連性を認めなかった. il)便秘スコアが2以上の例ではPRが有意に低下し食後のNのパワーが低下している傾向があった.【結論】DM患者では便秘がQOLの低下と1関連していた. DM患者においては酸逆流症状とQOLとの問に関連性を認めず.腹部症状を体の痛みとしては捉えていなかった.便秘は食事に対する胃の反応の低下と関連している可能性が示唆された. |