セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

胃・十二指腸

タイトル

P-012 活動性消化性潰瘍における血中水溶性ビタミン濃度の経時的変化

演者 佐藤航(日本医科大学第三内科)
共同演者 三宅一昌(日本医科大学第三内科), 小高康裕(日本医科大学第三内科), 新福摩弓(日本医科大学第三内科), 名児耶浩幸(日本医科大学第三内科), 進藤智隆(日本医科大学第三内科), 植木信江(日本医科大学第三内科), 河越哲郎(日本医科大学第三内科), 二神生爾(日本医科大学第三内科), 坂本長逸(日本医科大学第三内科)
抄録 【目的】脂溶性と異なり水溶性(W)ビタミン(V)は不安定で排出が早く体内貯蔵が難しいため欠乏しやすい特徴を有する.抗酸化作用を有するWVの欠乏は消化性潰瘍(PU)発症の要因の一つ.になりうる.しかしながらPU発症とWVとの関連は明確ではないそこで今回出血性PU入院患者にお.けるWVの経時的推移からPU発症におけるWVの欠乏の関与について検討した.一方動脈硬化・静脈血栓症の原因となり得るホモシステインはその代謝過程にビタミンB6B12葉酸が関与する.そこで.これらのビタミン欠乏や動脈硬化の摺標として血中ホモシステイン濃度を測定した.【方法1PUの内科的治療を目的に入院を必要とする愚者を対象とした.入院期間中ビタミン製剤を用いた輸液は行わなかった.空腹時の血申WV(VB1VB2VB6VB12VCおよび葉酸)およびホモシステイン濃度を入院時退院時および退院後3ヶ月の計3回測定.選択基準を満たした連続する20例のうち上記3時点すべて評価可能であった10例を解析対象とした.【成績】退院後3ヵ月までに、10例全例において潰瘍の口縄化および生検により悪性所見を有さないことを確認した.入院時における.VBIVB2VB6およびVCの平均濃度はいずれも正常値下限であった.平均VB2濃度は入院時と比べ退院時は有意に上昇していたさらにVB1VB2およびVB6の平均濃度はいずれもt入院時と比べ退院後3ヶ月有意に上昇した.また退院後3ヶ月VB1および▽B6の平均濃度はいずれも退院時と比較しても有意に高値であった.一方VB12VC葉酸および血中ホモシステイン濃度の平均濃度はいずれも有意な瞬時的変化を示さなかった.【結論】PU発症時VBIVB2およびVB6は欠乏状態にあることからこれらのWV不足はPU発症の要因のひとつである可能性が高いと考えられた、PU発症者ではWVの投与が望まれるとともに潰癌予防効果が期待される.
索引用語