抄録 |
【目的1維持透析患者に発症した肝細胞癌(HCC)の予後を明らかにする.【方法】1994年4月~2010年12月までに.当院で薪たにHCCと診断された維持透析患者26例の予後および予後規定因子を後ろ向きに検討した.【結果】HCC診断時の患者背景は以下のとおりである:平均年齢63.3歳平均透析歴9.2年背景肝疾患(HCV:22例アルコール性:2例他2例).平均観察期間2.2±2.0年中に20例(77%)が死亡し(癌死13例肝不全2例食道静脈瘤破裂1例他4例)3年生存率は37%であった(日本肝癌研究会2005年置は69%).初回治療として6例がラジオ波焼灼療法(RFA)17例が肝動脈塞栓術(TACE)を行われた.本来腫瘍サイズ・個数がRFAの適応範囲にも拘わらずTACEが選択された症例は8例存在した. IRFA群の3年生存.は62.5%でありTACE群の3年生存率26.9%よりも良好な傾向があった(P ・O.13)..【結論1HCC合併維持透析患者の死因の大半はHCC関連死であった.基礎疾患の無いH:CC患者と同様に可能な限り積極的な治療が望ましいと考えられた.一方で維持透析患者ではHCCに対する局所療法を躊躇させる要因があることが推察された. |