セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

肝癌2

タイトル

P-022 当科における肝細胞癌に合併した胆道出血の7例についての検討

演者 川崎剛(熊本大学大学院消化器内科学)
共同演者 福林光太郎(熊本大学大学院消化器内科学), 堤英治(熊本大学大学院消化器内科学), 具嶋亮介(熊本大学大学院消化器内科学), 吉丸洋子(熊本大学大学院消化器内科学), 立山雅邦(熊本大学大学院消化器内科学), 尾崎徹(熊本大学大学院消化器内科学), 永濱裕康(熊本大学大学院消化器内科学), 桜井宏一(熊本大学大学院消化器内科学), 田中基彦(熊本大学大学院消化器内科学), 佐々木裕(熊本大学大学院消化器内科学)
抄録 【目的】胆道出血の原因としては肝胆道系に発生する炎症・感染・腫蕩などが挙げられるGreenらの報告では腫瘍からのものは7%程度とされ肝細胞癌(HCC)に対する加療の経過中に胆道出血を来す場合がある.当院にて経験したHCCに合併した胆道出血の発症時の背景。予後について検討した.【方法1当科において2004年以降HCCに合併した胆道出血の症例についてレトロスペクティブに検討した、【結果】症例は7例で男性5例女性2例平均年齢は67.6歳(55~80歳)であった.診断の契機となった症状は腹痛6例発熱5例黄疸4例であり黒色便は3例に認められた7例ともHCCに対する治療歴がありB型3例C型3例非B非C型1例であった.胆道出血直近のHCCのStageは皿が2例IVAが3例.工VBが2例であった入院時の肝機能はいずれも不良でChiid-Pugh分類でBが3例cが4例であった.初回のHCC治療から胆道出血を来すまでの期間は4ヶ月から19年であった.治療は7例とも内視鏡的に胆管ドレナージチューブを留置しうち2例には肝動脈塞栓術を追加した胆道出血後の予後は確認できた6例の症例では1ヶ月から12ヶ月で3例は胆道出血の診断後3ヵ月以内の早期に死亡していた.肝動脈塞栓術の追加が可能であった2例では胆道出血の診断後11~12ヶ月後に死亡していた.【結論】HCCにおける胆管侵襲は切除例での検討では2、7%に認められる程度である今回の7酬いずれも過去にHCCに対する治療歴を有しておりHCCの病態が進行した状態で肝機能は不良であった.初期治療として全例で胆道ドレナージを行い2例では肝動脈塞栓術の追加が可能であった.肝動脈塞栓術を追加した症例は追加しなかった症例よりも発症後の生存期間が長かった.胆道出血を来すHCCは進行例であり予後不良であるが肝動脈塞栓術施行例では生存期間の延長が期待できるためにt積極的に適応を考えるべきと思われた.
索引用語