セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

肝癌2

タイトル

P-025 定位放射線照射治療を用いた肝細胞癌に対する集学的治療

演者
共同演者
抄録 【はじめに】放射線治療は肝細胞癌に対する姑息治療の1つとして用いられてきたが最近では集学的治療の1モダリティとして利用されることも多い.今回転移のために標準治療が困難な肝細胞癌(以下HCC)に対して定位放射線治療(以下SRT)を行い良好な治療効果を得た3症例を経験したので報告する【症例1】70歳男性非B非C肝硬変糖尿病HCCのため肝S5及びS6を切除.半年後にHCC再発を認め.TACEを受けた.12ヶ月後に腹腔内リンパ節転移を認めSRTを行った腫瘍は消失しその後30ヶ月無再発生存中である.【症例2】51歳男性B型肝硬変糖尿病.HCCのため肝左四切除.術後2年で新たにHCCを認めTACEを受けた.その後も肝内再発を繰り返しTACEPEIRFAにて治療した.手術から8年後に下大静脈へ腫瘍栓を認めたためt同部位へSRTとソラフェニブの投与を行ったCTにて腫瘍の消失を認め6ヶ月後には腫瘍マーカー(AFP)も正常化した.その後再発なく経過したが26ヶ月後に縦隔リンパ節への転移を認めた。再度この部位へSRTを施行しt CRを得た初回手術から10年経過しているが現在再発の徴候なく生存中である【症例3】70歳男性.HBV感染既往糖尿病.下肢浮腫にて精査したところ肝S6を中心とした右肝静脈から右心房にまで延びた腫瘍栓を有するHCCを認め腫瘍栓に対しSRTを行った.腫瘍栓は縮小傾向を示しt下肢浮腫は消失.その後10ヶ月間症状なく外来通院を続け初診から1年で永眠された.【結語】HCCに対して定位放射線治療は2009年肝癌診療ガイドラインにおいて推奨度C1とされている.しかし高い局所制御能を持つとの報告も多く脈管内腫瘍浸潤やリンパ節転移など他の治療が困難である場合の集学的治療の一環として低侵襲で高い治療効果を期待できる治療法と考えられる.
索引用語