セッション情報 |
一般演題(ポスター)ディスプレイ3
肝癌2
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タイトル |
P-026 肝細胞癌切除後10年以上無再発症例の臨床的特徴―準長期無再発例(3年以降10年未満再発例)との比較
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演者 |
松田政徳(山梨大学医学部第一外科) |
共同演者 |
雨宮秀武(山梨大学医学部第一外科), 細村直弘(山梨大学医学部第一外科), 川井田博充(山梨大学医学部第一外科), 藤井秀樹(山梨大学医学部第一外科) |
抄録 |
(はじめに)肝細胞癌(肝癌)は治癒切除後であっても高率に再発し10年以上無再発例は稀である.長期無再発生存例の臨床病理学的特徴を明らかとすることを目的とした.(対象と方法)2000年末までに実施した肝癌初回治癒切除症例のうち10年以上無再発生存した15例(長期無再発群)と3年以降10年未満再発13例(準長期間再発群)を対象とした(結果)長期無再発15例は男性13例.女性2例でt肝切除時の年齢は平均60.6歳であったHBsAg陽性例5例(33.3%)HCV-Ab陽性6例(40.0%)非B非C肝癌症例は4例(26.7%)であった.糖尿病5例(33.3%)アルコール多飲歴5例(33.3%)日本住血吸虫症歴を2例(13.3%)に認めた.肝障害度は全例がAであった.肝切除時の進行度はStageI4例H 7例lll 3例】V-A l例であった腫瘍単発13例(86.7%)多発が2例で主腫瘍径は0.9~9Dcmで平均4.Ocmであった.脈管侵襲は4例(26.7%)に認められた10年以降に4例(26.7%)に肝癌再発が認められ2例で再肝切除2例でTACEを行った.3例に一時性の重複癌が認められた.2010年末までに4名が死亡した.肝癌死1例肝不全死1例多病死2例で全死亡を含めた累積生存率は12131519年の順に100907764%であった.準長期無期発日との比較ではt腫蕩関連因子に差は認められず肝障害度とPT%血小板数は長期無再発群で有意に良好でHCV抗体陽性率が低い傾向であった(考察)肝癌切除後10年以上長期無再発症例の特徴は年齢が若く肝切除時の腫瘍は小型で単発などの腫瘍因子に加え準長期無再発群に比してC型肝炎の合併が少なく肝機能が良好で血小板数が高いことなどの非腫瘍因子が重要であった.しかし10年以降に肝癌再発を認める症例もあり半数で再肝切除が可能であった.このことから良好な肝機能を維持し肝癌再発を見据え他臓器癌の合併など他の疾患にも留意した長期にわたっての厳密な経過観察が必要である. |
索引用語 |
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