セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ4

憩室

タイトル

P-031 後期高齢者における大腸憩室出血の検討

演者 安孫子幸人(岩手医科大学内科学講座消化器・肝臓内科分野)
共同演者 柴田将(岩手医科大学内科学講座消化器・肝臓内科分野), 鈴木一幸(岩手医科大学内科学講座消化器・肝臓内科分野)
抄録 (目的)後期高齢者における大腸憩室出血の臨床的特徴について明らかにする.(対象・方法)2005年4月から2011年1月までに下部消化管出血で岩手医科大学内科学講座消化器・肝臓内科分野及び盛岡赤十字病院消化器科にて加療し最終的に大腸憩室出血の診断となった患者97名.(男性:女性 56:41平均年齢 67.8歳(27歳~89歳))(方法)後期高齢者群(75歳以上)40症例と非後期高齢者(75歳未満)57症例の2群に分け経過中の輸血の有無病変部位出血部の同定基礎疾患の有無抗凝固剤の内服再発の有無について比較検討した.(結果)後期高齢者群においては経過申に輸血を要したのは27.5%(11人)に認められた.憩室部位は後期高齢者群においては左側結腸、両側結腸に多く認められたが右側結腸には5%と.ほとんど認められなかった.検査時に出血部を同定可能であった症例は非後期高齢者;に多く認められた(後期高齢者/非後期高齢者:7.5%/24%)が多くの症例では同定困難であった.両群舞同定例では全例でクリップを用いて止血を行い入院中での再出血症例は認められなかった.また基礎疾患として脳血管性病変や不整脈を含めた心疾患を既往歴に有する症例はそれぞれ後期高齢者群で10%30%と心疾患で有意に後期高齢者で多く認められていた.入院時に抗凝固作用を有する内服薬を服用していたのは後期高齢者で30%に認められていた.この内.複数種の抗凝固薬の内服症例は33%であづた.今回の検討期間内では入院申での短期間の再出血症例は認められなったが再発例は後期高齢者群で37.5%と多く認められた.また複数回の再発症例は12.5%であった.(結語)後期高齢者では抗凝固薬の内服を要する基礎疾患を有する事が多くまた複数回の再発症例が認められるため慎重な経過観察が必要であると考えられた.
索引用語