セッション情報 パネルディスカッション25(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

H. pylori 除菌後長期経過による内視鏡像の変化

タイトル 内PD25-10:

鳥肌胃炎症例のH.pylori除菌後長期経過の検討

演者 永田 豊(松山赤十字病院・胃腸センター(消化器科))
共同演者 蔵原 晃一(松山赤十字病院・胃腸センター(消化器科)), 川崎 啓祐(松山赤十字病院・胃腸センター(消化器科))
抄録 【目的】H.pylori(以下HP)除菌後の内視鏡所見,病理組織学所見の長期経過を鳥肌胃炎症例の観点から明らかにすること.【方法】2004年10月から2011年12月までの7年2ヶ月間に当センターで鳥肌胃炎と診断した184例のうちHP除菌後36ヶ月間以上,内視鏡的に経過観察した症例を対象とし,その内視鏡所見,病理組織所見を遡及的に検討した.内視鏡検査は6-12ヶ月毎に施行し所見は鳥肌状小隆起,びまん性発赤,点状発赤,ひだの腫大・蛇行,粘液付着,びらん性胃炎,萎縮性変化を所見あり1点,なし0点,病理組織学的所見は各内視鏡検査施行時に胃前庭部大弯,体部大弯より2点生検を行いUpdate Sydney systemに基づいてsevere3点,moderate2点,mild1点,normal0点とスコア化しそれぞれ経時的に検討した.【成績】計25例がHP除菌後36ヶ月間以上内視鏡的に経過観察されていた.25例の平均年齢は45.8歳(26-70歳),男性3例(12%),女性22例(88%)で,除菌後の観察期間は平均46.9ヶ月(36-72ヶ月),内視鏡検査回数は平均3.7回であった.内視鏡所見はびらん性胃炎以外の項目は除菌後より平均スコアは徐々に低下し,鳥肌状小隆起は36ヶ月以降,びまん性発赤は24ヶ月以降,粘液付着は48ヶ月以降0.1以下となった.病理組織学的所見は好中球浸潤,単核球浸潤の平均スコアは前庭部1.36/1.90,体部1.09/1.45から除菌後12ヶ月までに前庭部0.07/1.09,体部0.07/0.93と有意に低下した(p<0.05).除菌後の経過観察中に未分化型胃癌の合併を1例に認めた(除菌後47ヶ月).尚,対象症例は現時点では25例であるが,学会発表時には30数例での検討を予定している.【結論】HP除菌により内視鏡所見,組織学的炎症は速やかに改善傾向となり,鳥肌状小隆起は平坦化し24ヶ月以降にほぼ消失した.経過中,1例に除菌後胃癌を認めた.
索引用語 鳥肌胃炎, H.pylori