セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ4

憩室・出血

タイトル

P-038 大腸憩室出血と小腸出血の効率的な鑑別診断に向けた試み

演者 播磨郷子(山口大学消化器病態内科学)
共同演者 橋本真一(山口大学消化器病態内科学), 松永尚治(山口大学消化器病態内科学), 田邉亮(山口大学消化器病態内科学), 岡本健志(山口大学消化器病態内科学), 西川潤(山口大学消化器病態内科学), 坂井田功(山口大学消化器病態内科学)
抄録 【目的】大腸憩室の有病率は年齢とともに増加し抗凝固薬を内服する頻度の高い高齢者において重篤な出血を来すことも多く経験する一方で大腸憩室出血が疑われる症例でも.憩室からの出血を確認できる頻度は低く診断は容易ではない.さらに、カプセル内視鏡(CE)やバルーン内視鏡の普及に伴い小腸出血の診断が可能となっており大腸憩室出血との鑑別に苦慮することも多く経験する.そこで本検討では大腸憩室症を合併した下部消化管出血症例について検討し大腸憩室出血と小腸出血とを鑑別する上での診断アルゴリズムについて検討することとした.【方法】2007年10月から2011年9月までに当院にて経験した下部消化管出血症例65例のうち大腸憩室が確認された症例26例について検討を行った.【結果】26例のうち最終診断が大腸憩室出血であったのは73.1%(19/26)(以下DB群)小腸出血は26.9%(7/26)(以下SB群)であった平均年齢はDB群68.6歳SB群71.1歳であり有意差は認めなかった.低用量アスピリン(LDA)およびNSAIDs内服歴ではLDAではDB群21.1%(4/19)SB群42.9%(3/7)(P=0.340)NSAIDsではDB群でO.O%(0/19)に対しSB群で42.9%(3/7)(PニO.014)とSB群でNSAIDsの内服率が有意に高かったDB群での診断根拠はCEにて小腸出血が否定された症例が42.1%(8/19)大腸内視鏡検査にて出血部位の口側に血液を認めない症例が31.6%(6/19)活動性出血が10.5%(2/19)等であった.SB群の内訳は小腸潰瘍6件とangioectasia1件であった.1結論】大腸憩室症を合併した下部消化管出血症例において26.9%が小腸出血と診断されてお.り特にNSAH)s内服している症例では小腸出血の除外が重要と考えられCEを併用することにより大腸憩室出血と診断できた症例が多かったことからも大腸憩室出血が疑われる症例に対して早期にCEを併用することは有用であると考えられた
索引用語