抄録 |
【目的】カプセル内視鏡(CE)およびバルーン内視鏡(BAE)の普及により原因不明の消化管出血(OGIB)に対する診療は進歩している.潜在性出血(OCCIIIt OGB)症例や既往の顕在性出血(previous overt OGB以下previous)症例に対しては侵襲の少ないCEが第一選択に用いられることが多い一方出血が持続している(ongoingover七〇GIB以下ongoing)症例に対して本邦ではBAEがより早期から普及していることもあり山側からのBAEが推奨されている当院では2008年9月よりCEを導入しているがBAEはまだ導入しておらず必要時に機器を賃借して施行しておりongoing症例に対してもまずCEを第一選択で行っている。 ongoing症例に対する緊急CEの有用性につき検討した.【方法】2009年9月から2011年11月までOGIBに対してCEを行ったのは59例で内訳はoccUlt 9例previous 39例ongσing 11例であった. ongoingはCE当日にも臨床的に出血が疑われる症例とした、 on・goingに対して緊急CEを行った11例につき有所見率とその後の治療方針や転帰につき検討した.【成績】所見が得られたのは9/11例(81.8%)であった.7例ではCEにより出血源の推定や自然止血の確認が可能でありBAEを旛行しなかった.CEにより出血源が疑われBAEを行った症例が1例明らかな出血源は指摘できなかったが出血が続くためBAEを行った症例が3例であった. BAE行った4例のうち2例では出血源の同定が可能であり2例では異常を認めなかった全例輸血などの全身管理を行い出血による死亡例はなかった.【結論】ongoing overt OGBに対する緊急CEは不要なBAEを回避できる可能性がある.またBAEが必要な症例においてルートの選択や病勢把握などが可能であり有用であると考えた |