セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

大腸

タイトル

P-049 DSS腸炎モデルを用いた潰瘍性大腸炎に対する大建中湯の炎症抑制効果の可能性

演者 松永尚治(山口大学消化器病態内科学)
共同演者 橋本真一(山口大学消化器病態内科学), 播磨郷子(山口大学消化器病態内科学), 田邊亮(山口大学消化器病態内科学), 山本直樹(山口大学消化器病態内科学), 岡本健志(山口大学消化器病態内科学), 西川潤(山口大学消化器病態内科学), 坂井田功(山口大学消化器病態内科学)
抄録 【背景1潰瘍性大腸炎ではクローン病に比較して高齢発症の割合が多く治療における致命的な感染合併が問題となっており高齢者にも安全に使用できる治療薬の開発が望まれる.大建中湯は近年ではアドレノメデュリンの内因性放出および産生に関わり腸管の血流増加作用や炎症性サイトカイン産生の抑制作用を有することが報告されてきておりCrohn病に対する有用性も報告されているが潰瘍性大腸炎に関する報告はない.【目的】潰瘍性大腸炎モデルとして知られるDSS(dextran sUlfate sodium)腸炎モデルを用いた大建中湯の炎症抑制効果の評価を行う.1方法12%DSSを持続摂取したマウスとDSSに加えて大建中湯を摂取したマウスをそれぞれ5匹ずつで生存率を比較検討した.また5%DSSを持続摂取したマウスとそれらに大建中湯をゾンデで経口投与したマウス10匹ずつを7日後にsacrificeし摘出大腸長末梢血Hb濃度遠位大腸での病理組織学的炎症像を比較した.【結果】生存率を比較したところ大建中皿を摂取したマウスにおいて生存率が延長する傾向にあった(平均生存期間43.8日vs 75。81日).また大腸の長さにおいて大建二二を摂取したマウスは有意に摘出大腸長が長く(平均5.69±O.42回目 vs 6.11±O.20cm:p<0.05)末梢血Hb濃度も有意に高値であり(平均10.7±2.239/dl vs 13.1±1.509/dl:P〈0.05)遠位大腸の病理組織をHistological score(2006年Journal of Gastroen・terology)で評価したところ有意に炎症が軽度であった(4.2士0.79vs2.8±L23:p<0」05).【結論】大建中湯の炎症抑制効果が明らかとなり潰瘍性大腸炎に対する安全な治療薬となりうる可能性が示唆された.
索引用語