抄録 |
【目的】今回われわれはUCと炎痙の機序に関1連するアラキドン酸カスケードの関連を解明するために’CyClooxygenase-2(COX2).5-lipooxygenase(5-LOX)および12-lipopxygenase(12-LOX)の遺伝子多型とUCとの関連を検討した.【方法】UC患者155例(男性90例女性65例)および健:常者137例(男性70例女性67例1)を対象とし採取した末梢血からDNAを抽出した. COX-2遺伝子のT8473C多型5-LOX遺伝子のC21T多型および12-LOX遺伝子のArg261Gln多型について各検体をPCR-RFLP法およびDh・ect Sequence法を用いて解析した.またUCの臨床因子(性別発症年齢罹患範囲臨床経過による病型重症度ステロイド抵抗性)との関連について検討した.【成績】1)COX-2遺伝子多型ではC/C+C/T遺伝子型群で重症例が有意に多く認められた(Pく0.05).2)5-LOX遺伝子多型ではC/C+C/丁幽晦子型押で慢性持続例が有意に多く認められた(P<0.05).3)12-LOX遺伝子多型についてUC患者の臨床因子との関連を検討したが有意なものはなかった.【結語】潰瘍性大腸炎患者の重症化にCOX-2遺伝子のT8473C多型が関連する可能性が示唆された.また潰瘍性大腸炎の慢性持続化に5-LOX遺伝子のC21T多型が関連する可能性が示唆された. |