セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

肝癌3

タイトル

P-058 原発性肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法の無作為前向き検討

演者 岡井研(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科)
共同演者 物江恭子(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科), 勝嶋史子(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科), 阿部和道(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科), 高橋敦史(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科), 大平弘正(福島県立医科大学消化器・リウマチ膠原病内科)
抄録 【目的】肝動脈化学塞栓療法での治療内容別の成績を前向き研究にて明らかにする.【対象・方法】2007年6月~2011年6月までに当科で肝動脈化学塞栓療法を施行した肝細胞癌のうち本研究に同意が得られた19例を対象とした.治療内容を無作為にCDDP(アイエーコール)+Lipiodol治療群(以下CDDP群)とMMC(マイトマイシンC)+EPI(エピルビシン)+Lipiodol治療群(以下MMC群)の2群に分け性別年齢成因診断時検査成績Child-Pugh腫瘍進行度(Stage)治療部位合併症3ヶ月後の治療効果Kaplan Meier法による生存率を検討した.【成績】CDDP群11例とMMC群8例における背景因子の検討では平均年齢はCDDP群が67.8歳t MMC群が68.6歳Child-Pugh(A:B:C)はCDDP群5:5:1例MMC群5二3:0例であり男女比結節数背景肝疾患ともに有意差はなかった.一方Stage(1:2:3:4a)はCDDP群0:5:5:1例MMC群3:2:3:0例とCDDP群で進行例が多かった.合併症に関してはCDDP群で嘔気・嘔吐3例発熱2例MMC群で発熱1例を認めたがいずれも軽微で有意差は認めなかった治療効果についてはCDDP群(平均観察期間21.7ヶ月)でCR;PR:SD=PDが4:1:2:4例奏効率(CR+PR)454%生存率56.3%でありMMC群(平均観察期間12ヶ月)の2=1:2:3例奏効率3Z5%生存率 21.4%に比べ良好であったが奏効率ならびに生存率(Logrank test)で両群に有意差は認められなかった.【結論1本研究における検討では治療内容による安全性は同程度でCDDPによる治療がMMC+EPIによる治療に比べて有用である可能性が示唆された.さらに症例数と観察期間の蓄積を行い今後も検討が必要である.
索引用語