セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

肝癌3

タイトル

P-063 大腸癌肝転移巣におけるchemokine/chemokine receptor発現の臨床的意義

演者 吉留博之(千葉大学臓器制御外科学)
共同演者 木村文夫(千葉大学臓器制御外科学), 清水宏明(千葉大学臓器制御外科学), 大塚将之(千葉大学臓器制御外科学), 宮崎勝(千葉大学臓器制御外科学)
抄録 【目的】大腸癌肝転移例に対する治療は外科切除と新規抗癌剤の進歩によりその予後は向上してきた.肝転移巣病変における予後因子や分子標的治療の可能性を目的とした臨床病理学的予後因子の検討は少ないのが現状である.【方法】大腸癌肝転移に初回肝切除を施行した90例の肝転移巣のホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いてMCP-1/CC]L2CXCR4CXCL12の免疫組織学的染色を行いその発現を定性・半定量分析し評価を行った。さらに新生血管数をCD34の免疫組織学的染色によるmiclrovessel density(MVD)にて評価した.また大腸癌細胞株を用いてこれらの発現と増殖について検討した.【結果と考察】preliminaryな原発巣の検討では肝転移をおこしたstage IV mb例の癌組織のみにMCP-1の発現が強く認められた.肝転移巣の腫瘍部におけるMC:P-1・CXCR4の発現はt 56%・ 39%において高発現していた.CXCR4が核に発現している群では有意に予後が良好であった.MCP-1の発現は血管新生因子であるAnglopoietin-2の発現と有意に相関しておりまたMCP-1の発.現の強度に伴い新生血管数と稲関し.:国華に上昇していた.in vitroの検討では高転移株のみにMCP-1の発現を強く認めMCP-1の高発現は多変量解析にて有意に予後不良因子であった.肝組織でのCXCL12の高発現と核でのCXCR4は相関を認めこれらは多変量解析にて有意に予後が良好な因子であった.【結語】大腸癌肝転移巣でのhemo㎞e/Chemokine receptOrの発現の検討により適切な術後経過観察と分子標的治療を含めた補助化学療法の必要性が示唆された.
索引用語