抄録 |
【目的1当診療所で行ったHelicobacter pylori(以下HP)除菌療法を検討する.【方法】対象は2006年9月より2011年8月過で当診療所でHP除菌治療を行った延べ552例(実数440名)で一次除菌406例二次除菌141例三次除菌5例である.除菌治療法はHP学会ガイドラインに沿い一次除菌はランソプラゾール(LPZ)アモキシシリン(AMPC)クラリスロマイシン(CAM)の3剤療法を7日間二次除菌はLPZAMPCメトロニダゾール(MNZ)の3剤療法を7日間行った.一次除菌二次除菌ではPPI製剤の影響を除外するため全例LPZを用いた.三次除菌ははじめの1例のみLPZ. AMPCMINOの3剤治療7日間2例目以降はランソプラゾール(RPZ)40mgAMPC2.000mgの高用量2剤療法14日間で行った. HP感染診断は血中HP抗体測定尿素呼気試験鏡検法のいずれかで行い除菌判定は治療薬内服終了5週目以降に尿素呼気試験を行った.【結果】1)副作用による治療薬内服中止:一次除菌3例で生じ発疹2例嘔気1例であった.2)除菌治療後の判定試験受診率:89.1%(489/549)で一次除菌後は89.8%(362/403>二次除菌後は872%(123/141)三次除菌後は80.0%(4/5>であった.3)除菌判定可能例での成功率は一次除菌68.0%(246/362);、二次除菌959%(118/123)三時除菌60.O%(3/5)であった.4)一次除菌失敗例の99.1%(115/116)が二次除菌を受けていた.5)440名の効果判定は内服中止・判定試験に来院せず・治療中の67名を除く373名で可能で最終的な除菌成功率は98.4%(367/373)であった.【結謝HPの悪影響が患者に認知されてきており除菌治療後の判定試験受診率は比較的良好でかつ除菌治療が失敗に終わった場合最終的に除菌達成まで治療を希望する割合が高かった.当地域ではMNZ耐性のHPがまだ少ないと考えられ一・次除菌で失敗しても二次除菌成績が良好であった.二次除菌の成功率より一次除菌の失敗にはLPZの影響はないと考えられた. |