セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ1

H.

タイトル

P-082 H. pylori除菌後長期経過して発見される胃癌に対する除菌時予測因子の検討

演者 田代淳(東芝病院消化器内科)
共同演者 柿本光(東芝病院消化器内科), 高橋正倫(東芝病院消化器内科), 井上陽介(東芝病院消化器内科), 三好由里子(東芝病院消化器内科), 中込良(東芝病院消化器内科), 田上大祐(東芝病院消化器内科), 手島一陽(東芝病院消化器内科), 金原猛(東芝病院消化器内科), 松原康朗(東芝病院消化器内科), 三輪純(東芝病院消化器内科), 新井雅裕(東芝病院消化器内科)
抄録 【目的】除菌治療が保険適用になり10年以上がたち除菌成功後長期経過して発見される除菌後胃癌症例が蓄積されつつある.そこで除菌後胃癌の早期発見のためにどのような症例に注意して経過観察していくべきなのか以下の検討をおこなった.【方法】1996年1月から2010年12月までに当院で発見された除菌成功後胃癌41例のうち除菌後3年以上経過して発見された胃癌群21例(年齢:51-76歳中央値64歳.性別:男性21例女性0例.除菌時疾患:胃潰瘍9例十二指腸潰瘍1例萎縮性胃炎5例胃癌EMR後6例.経過観察期間:3-13年中央値6.0年.)について年齢(±5歳)T性別除菌時疾患経過観察期間をマッチさせた対照群63例と除菌時のUBT値.ガストリン値及び前庭部大野体上部大弩の生検組織標本においてupdated Syd・ney systemに基づき0~3点にスコア化した各項目を比較検討した【結果】1除菌時のUBT値(脇)は対照群で中央値12.8胃癌群12.1[P = O.6569]であり血清ガストリン値(pg/mDは対照群で中央値120胃癌群76[P ・= O.0346]と胃癌群で有意に低調であった.2.除菌時の組織学的スコアは前庭部の腸上皮化生においてのみ対照群(λ5±O.5胃癌群0.9±0.6[P冨0.0210]と胃癌群で有意に高値であった.菌量炎症細胞浸潤腺萎縮リンパ濾胞では2群間に差はみられなかった.【結論】除菌時の前庭部生検において腸上皮化生が高度な症例では除菌成功後長期経過して胃癌が発見されるリスクがある.一方で炎症細胞浸潤や腺萎縮のスコアと除菌後胃癌の関連は示されなかった.また血清ガストリン値の関連については今後の検討課題である.
索引用語