セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ1

胃・十二指腸分子生物学

タイトル

P-088 多発胃癌における既往歴・家族歴とマイクロサテライト不安定性

演者 清水悠以(札幌医科大学第一内科)
共同演者 山下健太郎(札幌医科大学第一内科), 能正勝彦(札幌医科大学第一内科), 斉藤真由子(札幌医科大学第一内科), 鈴木亮(札幌医科大学第一内科), 須河恭敬(札幌医科大学第一内科), 新沼猛(札幌医科大学第一内科), 有村佳昭(札幌医科大学第一内科), 篠村恭久(札幌医科大学第一内科)
抄録 【目的】多発胃癌は単発例に比べマイクロサテライト不安定性(MSDが高率であるといわれているがなおその病態には不明な点が多いLynch症候群で発症率の高い癌の一つが胃癌であり多発胃癌症例の中にLynch症候群が含まれる可能性がある.【方法】多発胃癌症例の切除材料よりDNAを抽出し蛍光プライマーを用いたPCR法でMSIを解析したT BA T-26およびBAT-25でスクリーニングしいずれか陽性の場合は3種類のマーカーで追加解析2マーカー以上に変異がみられた病変をMSI陽性(MSI-H)とした.MSI-Hの場合はハ鯉プロモ・一一ターのメチル化をrea】 time PCR twで検討した【成績】当科で診療した胃癌194症例のうち22症例(113%)が多発胃癌で計46病変中87%が早期癌であった.平均年齢64、6歳(41~78)女性5例(23%)同時多発が17例二時多発が5例で同時三重癌1例二時三重癌1例他は全て二重癌であった.組.織型は全て分化型が12例全て未分化型が6例分化/未分化型が4例で女性の5例中4例は未分化型/未分化型の同時多発胃癌であった.他臓器癌の重複は直腸と上行轄腸の多発大腸癌が1例RAEBが1例甲状腺癌が1例にみられた.家族歴として第一度近親者に周癌を有する者が2例大腸癌を有する者が2例含まれた.Amsterdatn cr1teriaを満たした例はなく1例がr色vised Bethesda crlteriaを満たした.現在までに16症例26病変のMSI解析を行い4症例(25%)5病変(19%)1がMSI-Hであった.1例(症例1=65歳男性大腸癌の家族歴あり)は2病変ともMSI-Hであったが皿」U2のメチル化が2病変とも陽性であった.残りの3例は1病変のみMSI-Hで.この中にBethesda criteria該当症例が含まれた4例全て同時多発胃癌で。MSH{の5病変は全て隆起型の分化型粘膜内癌であった.【結論1分化型の多発胃癌においてはMSIが高率にみられたがMSIは1病変のみ陽性の例が多くLynch症候群が強く疑われる症例は含まれなかった
索引用語