抄録 |
【背景】アサコール錠は回腸末端部以降で90%以上のメサラジンを放幽するため大腸病変に対し効率よく抗炎症作用を発現できるとされる.今回我々は当院で本剤を使用した潰瘍性大腸炎(UC)症例の治療状況の検討を行ったので報告する.【方法】対象は2011年9月までに当院で加療したUC患者612例のうちアサコール投与を開始した56人.平均年齢401歳男性/女性:22/34例全大腸炎型/左側腸炎型/直腸炎型二23/14/19例平均罹病期間は6.4年他5-ASA鄭1からの変更が47例初療が9例だった.効果判定として投与前後でのpartial M包yo scoreとRactmilewitZらの内視鏡スコアで評価した【結果】投与前後で臨床症状の変化を詳細に調査できた34例中22例(64.7%)で寛解または改善を認めた.スコアは投与前平均3.8から投与4週目後に22と有意に低下した.肺病型での寛解改善率は全大腸炎型で9/15例(60%)左側大腸炎型で3/7例(42.9%)直腸炎型で10/12例(83.3%)だった他5-ASA製剤内服と局所療法を併用していた14雨中7例(50%steroid:3/5例5-ASA:4/9例)で局所療法からの離脱が可能だった.また投与前後で大腸内視鏡検査画像の比較が可能だった19例で直腸のスコアは平均6.0から3.4と有意に改善を認めた.他部位毎に同様の評価を行ったところ有意差は認められなかったがいずれの部位でも改善傾向を認めた.【結論】アサコールはいずれの病型においても効果があり特:に直腸炎型での臨床症状改善率が高く内視鏡的にも直腸での改善良に優れていたまた局所療法から離脱できる症例も多くこの点でも従来の5-ASA製剤と比較し優位性があると考えられた. |