セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

大腸

タイトル

P-095 潰瘍性大腸炎患者におけるタクロリムス投与中の感染症について

演者 武田輝之(福岡大学筑紫病院消化器内科)
共同演者 高津典孝(福岡大学筑紫病院消化器内科), 平井郁仁(福岡大学筑紫病院消化器内科), 松井敏幸(福岡大学筑紫病院消化器内科)
抄録 【背景と目的】カルシニューリン阻害薬であるタクロリムス(以下Tac)は近年難治性潰瘍性大腸炎(以下UC)の治療薬として承認されその使用頻度も高まっている.しかしながらTリンパ球の作用を強力に抑制するため副作用として易感染性が問題となるbそこでTac投与中に生じる感染症の出現頻度臨床的背景等について明らかにすることを目的とした.【対象と方法】当院において2001年2月~2011年7月までの期間UC患者に対しTacを投与した患者66例を対象とし感染症の出現頻度生じた感染症の種類治療法予後について検討した.なお頻回に出現するサイトメガPウイルスは除外して検討した.また感染症を生じた群(感染群)と感染症と生じなかった群(非感染群)の臨床背景を比較した.【結果1平均投与期間は143日であり感染症を生じたのは8例(12J%)であった.感染症の種類はカンジダ性食道炎3例感染性腸炎2例。真菌性肺炎歯肉炎ニューモシスチス肺炎マイコプラズマ肺炎侵襲性肺アスペルギルス症がそれぞれ1例であった(重複あり).いずれも抗菌薬.抗真菌剤の投与を行いTac中止例は2例減量1例同用量で継続4例中止後再開が1例であった.いずれの感染症も比較的速やかに改善し死亡例はなかった.感染群8例の平均年齢は43歳(20~68)非感染群58例の平均年齢は36歳(14~71)であり感染群の方がより高齢であったが統計学的有意差はなかった.Tac導入直前1ヶ月聞のPSL総投与量は感染群833.4±359.5mg非感染群660.5±9443mgであり感染群の方が高用量:であったが統計学的有意差はなかったtなお感染群におけるアザチオプリン供用例は3例であった.【結論】Tac投与中は易感染状態であり感染疲併発のリスクが高いが厳重なモニタリングにて早期発見早期治療にて対処が可能であった.高用量のステロイド併用例高齢者がリスクファクターである可能性が示唆された、
索引用語