セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

大腸

タイトル

P-096 難治性潰瘍性大腸炎に対するinfliximabの問題点

演者 前嶋隆平(いわき市立総合磐城共立病院炎癌性腸疾患センター)
共同演者 土佐正規(いわき市立総合磐城共立病院炎癌性腸疾患センター), 樋渡信夫(いわき市立総合磐城共立病院炎癌性腸疾患センター)
抄録 【目的1難治性潰瘍性大腸炎(UC)はステロイド強力静注療法や種々の免疫抑制剤投与などの集学的加療が必要で患者が易感染性になる.Infliximab(IFX)はUCにおける有用な治療法であるが重症難治性UCでは更なる免疫不全が懸念される.今回我々は難治性UC患者へのIFX投与の有効性安全性に関して解析する.【方法】寛解導入率及びinfusion reaction遅発性過敏症その他副作用の有無に関してretrospectiveに検討した.【対象】2011年1月~9月にIFXを導入した難治性UC患者4例.<症例1>31歳男性.再燃寛解型全大腸炎型.プレドニゾロン(PSL)60mgを投与漸減中に再燃を認めタクロリムス導入も効果不十分にてIFXを導入. IFX導入後1週間で帯状庭面が出現し投薬中止.<症例2>18歳女性.慢性持続型左側結腸炎型.結節性紅斑を合併しPSL依存となりIFX導入寛解を得た. Infusion reaction認めたが維持療法として継続 しかし開始後9ケ月でEBウイルスに関連したウイルス性肝炎を発症.<症例3>28歳女性.再燃寛解型左側結腸炎型.PSL50mg+㏄AP intensive therapyにて加療CMV腸炎を併発しガンシクロビル(㏄V)を投与.症状改善しPSL漸減したが効果不十分であったためIFXを開始.著効し内視鏡的にも寛解となったが約2ヶ月後に感染性腸炎が発症.維持療法は施行せず.<症例4>47歳女性再燃寛解型左側績腸炎型.PSL40mg+㏄AP intenslve therapyにて加療も効果不十分. CMV腸炎併発がありGCVを投与著効せずIFXを開始.導入後1週間でS状結腸穿孔が発症し大腸亜全摘術となる【結果】IFXの有効性は4例申2例と有効率は50%であった.infuSion reactionは4例中1例(25%)遅発性過敏症は3例中0例(0%)有害事象は全例に生じ感染症発症は4例中3例(75%)であった.1結論1UC患者に対するIFX導入は免疫力低下を十分に考慮するとともに手術のタイミングを逸しないことが重要と思われた.
索引用語