セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

膵炎

タイトル

P-103 急性膵炎におけるオートファジー機構とGlycoprotein 2の関連性

演者
共同演者
抄録 【目的】Glycoprotein 2(GP2)は膵臓腺房細胞のチモーゲン画室膜に局在するGPIアンカー脳膜タンパク質である.GP2はチモーゲン穎粒膜タンパク質の中で最も多く存在しており離層細胞内のメンブレントラフィックにおいて重要な役割を担っていると考えられる.これまでにGP2ノックアウトマウス(KO)では野生型マウス(WT)に比べて絶食時にチモーゲン穎粒の蓄積が生じることが明らかとなった本研究では穎粒蓄積の背景としてGP2のオートファジー機構への関連とオートファジーを誘発する急性膵炎におけるGP2動態を検討した.【方法】WTおよびGP2KQにセルレイン投与による急性膵炎を誘発させ形態学的観察により炎症の程度を比較した.採取した血清中のアミラーゼ量を測定し膵臓組織における各種タンパク質発現をウェスタンプロッティングにより解析した.【結果】膵炎重症度の指標となる血清アミラーゼ量についてGP2KOはWTに比べてセルレイン投与後の発現量が上昇した.ウェスタンプロッティング解析の結果訓言トファゴソーム形成の指標であるLC3-llとオートファジーの選択的基質であるp62のタンパク質発現は膵炎に伴って増加するがGP2欠損下ではさらに上昇を示した.さらに形態学的観察からGP2KOはWTに比べてセルレイン投与後の急性膵炎の進行が確認された.【結論】膵炎におけるオートファジー機構の背景にはGP2発現が関与する可能性が示唆された.またGP2欠損下ではりソソーム分解能の低下が推察され結果としてLC3-IIおよびp62が細胞内に蓄積していると考えられる.これよりGP2はりソソームの分解能を制御する因子であり膵炎緩和に関与する分子である可能性が考えられた.
索引用語