抄録 |
【目的】急性膵炎の成因はアルコール性が最も多いがERCP関連膵炎の発症頻度も決して低率ではないADAMTS13活性が低下すると超高分子量VWF multhnerが増加し血栓形成と共に諸臓器の微小循環障害が惹起される.我々は重症急性膵炎(SAP)において血漿ADAMTSI3活性の低下がSAP病態形成に関連することERCP後のADAMTSI3活性の動態が急性膵炎・胆管炎による急性炎反応と関連することを指摘した.今回ERCP前後のADAMTSI3活性VWF抗原と共にサイトカインを測定しERCP関連膵炎の発症との関連のもとに検討した【方法】対象はERcP施行22例(男/女:12〆10年齢平均67.7歳基礎疾患=膵癌8例、総胆管結石6例IPMN3例胆管癌2例Vater乳頭癌2例t肝移植後1例)である.ERCP前ERCP後3時間翌朝に血漿ADAMTS13活性VWF抗原サイトカイン(nfIL-8)をELISA法にて測定した【成績】ERCP後にSAPを発症した1例ではERCP前後3時間翌朝のADAMTS13活性は50%→53%→24%と半減しVWF抗原は著変なかったがL-sは上昇後低下(13 pg/ml→44 p4m1→17pg/血1)した.ERCP前胆管炎発症例の2例ではADAMTSI3活性に著変なかったがVWF抗原は内視鏡的ドレナージ術後低下(333%→346%→116%311%→232%→101%)しIL-6は1例で低下〔202 pg/m1→129 pg/ml→65 pg/m1)他の1例は上昇後低下(6 pgy!ml→15 pg/m 1→8pgl’mi)したERCP前後においてサイトカイン上昇群Cn=11)は非上昇群(n=11)に比しERCP前のVWF抗原およびVWF/ADAMTS13比が高値であ.りERCP後3hのVWF抗原VWF/ADAMTSI3比WBCおよびAMYが高値であった.【結論】ERCP後の血漿サイトカインの動態はADAMTS13活性とVWF抗原の酵素・基質不均衡と密に関連し膵炎あるいは胆管炎による急性炎症性反応の消長と連動する可能性がある. |