セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

タイトル

P-109 膵癌に合併したTrousseau症候群6例の検討

演者
共同演者
抄録 【目的】Trousseau症候群は悪性腫蕩に伴う血液凝固三元進により脳の動静脈血栓を生じ様々な神経症状を呈する病態であり傍腫瘍症候群の一つとされる.発症が予後やQOLへ与える影響は大きいが予防および治療法は未だ確立していない.今回膵癌に合併したTrousseau症候群自験例の現状を評価した.【方法】臨床経過からTrousseau症候群と考えられた膵癌患者6例を対象としその特徴について検討した.【結果】平均年齢65歳(51-79歳)男性2例女性4例1例が心房細動にて抗凝固療法施行中であった.膵癌占拠部位は頭部1例体部2例尾部3例であり全例が肝転移を有するstagelVbの進行した症例であった.発症時期は化学療法施行中2例化学療法導入前1例支持療法経過観察申2例Trousseau症候群が膵癌の発見契機となったものが1例であった.頭部MRIは4例で施行し全例で両葉に多発する梗塞巣を認めMRAでは有意狭霧を認めなかった.頭部CTのみ施行の1例は単発の梗塞巣で残りの1例は画像評価未施行で理学的所見から脳梗塞と診断した血液検査では測定していた5例全例でFDPD-d㎞皿erの上昇を認めた.治療としてヘパリン(低分子ヘパリン含む)を4例に用いうち1例は下血のため申止した.残りの2例は消化管出血の既往および出血性脳梗塞の危険性から抗凝固薬を使用しなかった.予後は転院のため追跡不能となった1例を除き中央値33日(6-106日)と不良であった.【結論】Trousseau症候群を合併した膵癌患者6例の臨床的特徴は既報と同様に体尾部癌肝転移陽性例に多くその予後は不良であった.
索引用語