セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

タイトル

P-111 TS1膵癌の5例

演者 大塚裕之(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター)
共同演者 清野隆史(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター), 森島大雅(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター), 石川英樹(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター)
抄録 【目的1TSI膵癌は主病巣の最大径が2.Ocm以下(TS1≦2.Ocm).の膵癌である.今回我々は.TS1膵癌の発見契機特徴を探求するためTSI膵癌と診断された症例を検討した。【対象】2008年1月から2011年11月までの間に当院消化器内科にてTS1膵癌と診断された5症例を検討した.1結果】5症例の平均年齢は74.6歳であった.性別は男性3例女性2例であった.無症状は3例有症状は2例であった.無症状例は膵頭部IPMN精査目的のEUSで指摘されたもの腹部USで膵管拡張を指摘されEUSを施行し指摘されたものであった.有症状例はそれぞ江閉塞性黄疸腹痛を主訴に受診され腹部USとCTで腫瘤を認めたものであった.そのうちの2例では腹部USとCTでは明らかな腫瘤を指摘できずEUSで腫瘤を指摘された.発生部位は膵頭部3例膵体尾部2例であった.大きさは平均17.6mmであった.腫瘍マーカー(CEACA19-9)の上昇は4例で認められた.全症例で外科的切除術が施行され膵頭十二指腸切除術1例幽門輪温存膵頭十二指腸切除術2例脾合併膵体尾側切除2例であった.経過は現在3例が生存されており各々術後3ヶ月19ヶ月23ヶ月経過しており再発を認めていない.1例では術後14ヶ月に不慮の事故で死亡されまた1例では術後7ヶ月に腹膜転移を認め22ヶ月に原病死された.【まとめ】膵癌では高度進行癌になるまで自覚症状が出ないことが多く膵癌の初発症状では膵頭部癌の18.5%膵体尾部癌の26.4%が症状なしとされている.膵癌の現時点で唯一根治が期待できる治療は外科的切除であるが実際の切除率は10~20%程度とされている.長期成績について2007年膵癌登録報告でも3年生存率ではstagelVbで39%最も早期であるstagelaでも42.6%と極めて不良である.当院でのTS1の5例のうち2例はEUSで指摘されておりEUSによるスクリーニングがTS1膵癌の発見に有用であった【結論】EUSでの早期の発見が重要であると考えられた.
索引用語