抄録 |
【はじめに】非機能性膵内分泌腫瘍(PNET)は有症状で発見されることもあるが健診などで偶然発見される場合も多い.非機能性PNETめ手術適応について腫瘍径による明確な基準はない.【対象・方法】2006年11月から2011年10月までの5年間に当施設で切除したPNETは11例でありそのうち2例が健診発見された10mm以下のPNETであったtこれら2例の臨床病理所見について検討した.【結果】IPNET 11例中4例は肝転移を伴うPNETで転移を伴わない7例中4例に脈管侵襲を認めた.4例とも腫瘍径2cm以下のT1症例であった。腫瘍径10mm以下の1標目は健診超音波で膵頭部に小腫瘤を指摘され精査となった45歳女性でCTでは膵頭部に主膵管を圧排する小さな濃染腫瘤が認められた。PNETの術前診断で幽門輪温存膵頭十二指腸切除とした。病理診断は腫瘍径7mmのPNETでperineuralinvasionが認められた.2例目は健診アミラーゼ高値にて施行したMRI.にて膵尾部膵管狭窄と末梢の主膵管拡張を指摘され精査となった40歳男性でEUSで膵管途絶部位に明らかな腫瘤は指摘できなかったがERCPでの膵管像は明らかな狭窄所見と尾側膵管の拡張が認められ小膵癌の可能性が否定できなかった.CTで若干濃染する腫瘤構造があるように見えたためPNETや腺房細胞腫瘍も鑑別にあげながら膵体尾部切除とした.病理結果は主膵管狭窄を伴う6mmのPN耳Tで血管侵襲を伴い. NET G2と診断したいずれの症例も術後経過良好で現在まで17ヵ月4ヵ月無再発で社会復帰している.【結語1小腫瘍であっても周囲脈管に浸潤することがあるため.腫瘍径10mm以下でも非機能性PNETは手術適応となりうると考えられた. |