セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ1

胃・十二指腸

タイトル

P-115 アルゴンプラズマ凝固療法(APC)を繰り返すことで出血コントロールが可能であった難治性放射線性胃炎3症例の比較

演者 橋爪洋明(群馬大学病態制御内科)
共同演者 佐藤賢(群馬大学病態制御内科), 下山康之(群馬大学病態制御内科), 堀口昇男(群馬大学病態制御内科), 山崎勇一(群馬大学病態制御内科), 柿崎暁(群馬大学病態制御内科), 森昌朋(群馬大学病態制御内科)
抄録 【目的】放射線性胃腸炎の報告のほとんどが放射線性直腸炎であり放射線性.胃炎の報告は稀である出血性放射線性胃炎は難治でしばしば頻回の輸血を必要とするが最近ではAPCの有効性が報告されている同疾患へのAPCに関する既報の多くは数回の治療で出血がコントn一ルされているが最終的に手術を行った症例も認める.今回我々は肝硬変や門脈腫瘍栓あるいは骨髄異形成症候群などを基礎疾患に有し治療に難渋したもののAPC治療を繰り返すことで出血のコントロールができた放射線性胃炎の3症例を経験したので報告する.【方法】上記3例の臨床病理学的特徴・治療・予後について比較検討した.【成績】症例1;64歳男性。照射の原疾患は膵癌T合併症としてC型肝硬変と肝細胞癌の治療歴あり・慢性腎不全にて維持透析中陽子線をtotal 60Gy内視鏡所見は胃前庭部全周(後壁優位)・十二指腸球部(後壁優位)・乳頭部周囲の毛細血管拡張と胃小窩拡張像・発赤・出血像APC計9回施行治療から1年経過するが胃病変の再発を認めない.症例2;67歳女性.原疾患は肝細胞癌による門脈腫瘍栓合併症として非B非C肝硬変放射線をtotal 45Gy内視鏡所見は胃前庭部と噴門部全周性の毛細血管拡張と胃小窩拡張像・発赤・出血像APCは計12回施行輸血不要となり食事再開できたがAPC治療終了から1か月後に脳死.症例3;87歳男性.原疾患は食道癌合併症として骨髄異形成症候群・血小板減少症放射線をtota166Gy内視鏡所見は胃噴門部全周性の毛細血管拡張と出M像APC計4回施行APC後再発を認めない.【結論】自験例ではAPC施行回数が多かったが腎不全や肝硬変・門脈圧充進症あるいは血小板減少症などを基礎疾患に有し難治であったためと考えられた.いずれの症例もA.PCを繰り返すことで最終的に出血コントロールが可能であった.
索引用語