抄録 |
【背景】胃腫瘍に対しスネアや専用デバイスで病変を切除する内視鏡的粘膜切除術Endoscopic mucosal resection:EMRや内視鏡的粘膜下層剥離術En-doscopic sub皿ucosal dissection;ESDは切除後潰瘍を形成するため術後に出血を来たすことがある.また心・血管系イベントの一次・二次予防のため抗凝固・血小板薬内服症例は増加傾向にあるが術後出血に影響する可能性もある.【目的】胃腫瘍に対する内視鏡治療後出血症例を解析しその危険因子を明らかにする.【対象】2006年1月から2011年10月まで当科および関連施設で内視鏡治療を行った襲爵es 342病変【方法】非出血群327病変後出血群15病変に分け以下の項目をretrospectiveに検討した1)病変の局在t2)病変の大きさ3)治療方法4)治療時間5)抗凝固・血小板薬内服の有無【結果】1)後出血群はL領域9病変4.92%M領域5病変4.85%U領域1病変 1.79%で部位による差を認めなかった.2)非出血群の腫瘍径は19.0±12.8mm後出血群は22.3±9.7mmで差がなかった.3).治療方法はEMR(69病変)もしくはESD(273病変)であり後座血群ではEMR2病変ESD13病変で差を認めなかった.4)非出血群の治療時間はa6.2±712分。後出血群は83.5±44.1分でこちらも差がなかった.5)抗凝固薬もしくは抗血小板薬を常用していたのは67病変19.6%であり非出血群58病変180%後出血群8病変53.3%で後出血群の方が有意に抗凝固・血小板薬常用率が高かった(p=O.003).【結論】胃腫瘍に対する内視鏡治療において病変の部位や大きさ治療方法および治療時間はその後出血に関与する因子である可能性は低いと考えられた.抗凝固・血小板薬内服症例で.は後出血のリスクである可能性が高く術後の対応を更に検討する必要があると思われた. |