抄録 |
【目的】慢性C型肝炎に対するインターフェロン(INF)療法はリバビリン製剤の併用が多くの場合第一選択であるが副作用が強いためペグインターフェロンα一2a(ベガシス)単独療法が行われる場合もある当科でも65歳以上の高齢者や強い副作用を懸念する患者にはペガシス単独療法を行っている近年IFN療法のウイルス排除以外の効果としてHCC発癌抑制効果が言われているがベガシス単独療法での検討は少ない今回AFP値を発癌リスクの指標として検討した.【方法】対象は平成16年1月から22年9月までのベガシス単独療法を施行した51例申前後でAFPを測定し得た34例(男:女17:1767±9歳).投与法は初回例は18Qpg/W48週投与を原則とし再治療例は当初は48週投与でその後は可能な限り長期投与を基本とした.効果判定は投与終了6ヶ月後ウイルス陰性のものを著効終了時陰性で6ヶ月後陽性のものを再燃投与中からウイルスが消失しないものを無効投与継続中のものではウイルス消失しているものを有効とし投与終了時にウイルスを認めない著効再燃有効を消失群無効のものを残存群として投与前後のAFPの値を比較検討した.【成績1全体で前後のAFP値は前が5.7±5.1(㎎/ml)(mean±SD)後が6.5±6.3(ng/ml)と有意な差は認めなかった.終了時のウイルスの有無で検討するとt消失群21例では前が4.2±2.0(nガ!皿)後が4.1±1.6(ng/ml)とほとんど変化がなかった.一方残存群13例では葡が8.2±7.4(ng/ml)後が102±9.0(ng/ml)とわずかに上昇したが有意ではなかった.【結論】ペガシス単独療法では投与によりAFPの値はほとんど変化せず今回の検討では発癌抑制効果を明らかにすることはできなかった. |