セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

C型肝炎・B型肝炎

タイトル

P-151 当院における瀉血療法の効果

演者 楡井和重(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野)
共同演者 松村寛(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 森山光彦(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野)
抄録 【目的】C型肝炎ウイルス(HCV)に対するプロテアーゼ阻害剤の併用により70%程度にHCV除去が可能となってきている.しかしながら無効例や導入困難な症例も少なからず存在している.C型慢性肝炎患者の鉄代謝状態と肝炎の病態の関係を述べるとともに従来の強ミノやウルソを投与するといった肝庇護療法のみの治療との比較を行い肝予備能や発癌率を含めその効果について検討した【方法】2005年01月01日から日本大学医学部附属板橋病院にて加療中のC型慢性肝炎および肝硬変の患者で一年以上経過観察が可能であった66症例を対象とした16名の患者をコントロールとした.1~4週ごとに100~400m1の虚血を血清ヘモグロビン値が11g/dl以下になるまで繰り返す.さらに事事食の実践を指導した..【成績】潟血を行った大多数の例において開始後速やかに血中フェリチン値は低下傾向を示した.開始明豊に比較して36ヶ月後のASTは有意差を持って即値となる傾向を示した.(P=O.01未満)またコントロール群と比べて改善率に有意差を認めた.(P=O.OCO)ALTについても同様であり開始前値に比較して低値となる傾向を示した.またコントロール群と比べても改善率に有意差を認めた.(P=0.019)血小板はコントロール群は18ヶ月ごろより低下傾向にあったが義血群は上昇する傾向にあった.しかしながら変化率で見るとこの両者の間には有意差を認めなかった.血清コリンエステラーゼ値や血清アルブミン値も両群ともに変化を認めなかったAFPは改善したが発癌率については有意差は認めなかった.他に発癌例はフェリチンが高い傾向にあった.【結論】潟血はほかの報告のとおりトランスアミナーゼやAFPを改善させた.しかしながら今回の経過観察中には血小板や発癌率を改善させるまでには至らなかった.しかしながら発癌例はフェリチンが高い傾向にあるので発癌と鉄の関係は否定できないと思われた.
索引用語