セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

C型肝炎・B型肝炎

タイトル

P-154 PLC/PRF/5細胞株におけるB型肝炎ウイルスDNAの組み込み形態

演者
共同演者
抄録 【目的1B型肝炎ウイルス(HBV)は不完全環状二本鎖のDNAウイルスでありヒトへ感染するとホストDNAへ組み込みを起こすことが知られている.この現象はウイルス発癌に重要な役割を果たしていると考えられており肝細胞癌でも頻繁に見られB型肝炎ウイルスと肝細胞癌の間には疫学研究および生物学的研究においても密接な関係を持っているとされていがその発癌機構については未だ明らかにされていない.我々はこの機構を解明すべくHBs抗原を合成し産生するPLC/PRF/5細胞株におけるB型肝炎ウイルスDNAの組み込み形態の検討を行った.【方法】FISH(Fluo・rescent ln Situ Hybridization)法によりPLC/PRC/5細胞株の全ゲノム中に組み込まれているB型肝炎ウイルスDNA配列の局在を同定した.使用したプローブはウイルスDNA配列全体をコードするものと200~250bp程度に区切りそれぞれの標的部位に特異的なプローブを設計し使用した.ゴ更に組み込み部位の具体的なDNA配列をAlu-PCR法にて増幅しダイレクトシークエンス法にてDNA配列を確認した.【成績】PLC/PRC/5細胞株の全ゲノム配列申にB型肝炎ウイルスDNAが様々な部位に存在していることを確認し更に15番染色体凄腕(15p33)にHBx領域の存在を確認した.この部分に組み込まれているB型肝炎ウイルスDNAはHBxのプロモーター領域および開始コドンを含んでいることを確認した.【結謝我々はPLC/PRF/5細胞株におけるB型肝炎ウイルスDNAの組み込み形態を確認した.この組み込みにより異常な蛋白合成が起こる可能性がありウイルス発癌に重要な役割を果たしている可能性が示唆された.
索引用語